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読図練習の振り返り(2023年08月20日)

暑さもたけなわな8月半ばですが、今回もSNSのフォロワーさんと一緒に読図練習に出かけてきましたので、その時の振り返りを書いてみたいと思います。

積極的な周辺観察

今回ご一緒したフォロワーさんは普段から地形図を読み、基本的なことはすでに出来ていました。なので、フォロワーさんが以前ソロで歩いた際に読み間違えたところなどを一緒に辿りながら復習するという内容も盛り込めました。

読図における持論ですが、技術と習慣は車の両輪だと思っています。どれだけやり方を知っていてもやらなければ意味がないので、その点でフォロワーさんは等高線の形状と周囲の地形を積極的に照合されていました(^^)
道中のある時点では「図中の谷筋は尾根の向こうに隠れて見えない」とか「建物マークの位置関係から現在地はおおよそこの辺かな」などの把握を試みるなど、もう人にお伝えできるレベルではないかと、私も襟を正す思いでした(^^;

地形図ごとの相違

そして自分でも勉強になったことですが、お互いに持ち寄った地形図で、それぞれ道の記載の有無に違いがありました。私は国土地理院のHPから印刷していますが、フォロワーさんは大型書店で販売されているバージョンで、そこに記載されていない道が近辺だけでもいくつがありました。
考えてみれば、HPの方は調査がされれば早く情報更新されるので、そこに違いが生まれるのですね。
また、そのHPから印刷した地形図も、モノクロだと沢の線なのか等高線なのか分かりづらかったり、文字が被っていると判別つきにくかったりと一長一短だと思いました。
大型書店で販売のそれは、A3一枚刷りの広範囲カバーのものですが、カラー印刷で結構起伏が見やすくて、私も一枚持っておきたいと思いました。

コンパスの使い方、色々

さて、ルートの終盤はお互いに初めてとなる尾根道で下山です。ここでは主にコンパスの使い方を、自己流な手法も交えてお伝えしました。ただ反省点として、分かりづらい説明になってしまった気がしますスミマセンでした(^o^;)

1. 現在地からの進路の確認

まずは基本的な使い方として、地図上の現在地から向かいたい方へコンパスをセットし、景色にかざして進路を定める、というのがひとつ。

2. 道の向きから現在地を確認

もうひとつはこの逆で、先に景色の、進もうとしている方角にコンパスをセットしてから地図上に落とし込むやり方。このとき、地図上で現在地「だと思っている」ところに落とし込んでみて、予定している進路と合致しているかで読みが外れていないかを確認するという手法です。

注意点:間違っているけれどたまたま方角が合致するということも普通にありうるので、あくまでひとつの参考程度に

3. 事前にセットして待ち構える_その1

そして3つ目。これが今回一番の変則的な使い方ですが、今回図らずもこれが活用できる状況だったのでご紹介させていただきました☆藪尾根などでより確実に目標へと辿り着くために有効だと思っていて、私も重宝しているやり方です。

まず前提として、↓のような条件を設定します。
いまから歩こうとしている場所がどのような道のカタチをしているか分からず、従って地図上で現在地割り出しの材料たりうるのが地形のみ、という状況

これで歩いた場所が下図で見る通りです。赤線を歩くのを予定していますが、南西向きの支尾根にうっかり入り込む可能性がまず出てきます。これをコンパスを使って回避したいと思います。

まずは、あえてそこへむけて事前にコンパスをセットします。具体的には、今歩いている尾根とその支尾根がぶつかっているところからその伸びている先へとあらかじめセットします。
それを、主稜線をたどりながら景色にかざしつづけます。すると指示方向とはズレて歩くことになりますが、もしその先進路が指示方向と合致するようなことがあれば、誤って入り込んでいることが分かります

補注)通常であれば、行きたい方角にセットするだけで事足りるのですが、今回のようにわかりずらいところで何度か進行方向が変わる場合は、迷い込み防止でこのような手法も有効だろうと感じています。

3. 事前にセットして待ち構える_その2

上記のやり方は逆のパターンにも応用できます。すなわち、予定しているルートがある時点から屈曲し、そのまま真っすぐ行ってはNGという場合です。

あらかじめその方向にコンパスをセットして歩き、予定通りに行けばいずれ進行方向とコンパスの指示方向が合致するのですが、いつまでたってもずれたままであれば「予定している進路変更点を通り過ぎてしまった」か「そもそもの現在地見立てが間違っていた」かのいずれかです。
どちらにしても、その時点で立ち止まり、道を戻るなど修正を図る機会を作ることができます

さいごに

フォロワーさんから最後にいだいた感想で、その支尾根に道が伸びているところで、私がアレ?と引っかかって長考に入ったことが印象に残っていたと言われていました。

これについてですが、よく仕事などで言われるPDCAサイクルを流用していたのがその理由です。つまり、

Plan こっちに行くとこうなる予定
Do 実際に行ってみる
Check 行ってみた結果とうだったか
Action 合ってたのでこのまま行く/違うので修正する

というサイクルを実施していました。これを今回のケースにあてはめると、

Plan 少し行くと歩く予定のない支尾根が見えるので、そこをパスして歩く
Do 実際に進んでいく
Check その尾根が見えたが、その先の道がそっちに延びている
Action 行程の修正が必要そうだったので、少し道を戻り、周囲を観察し直し、予定の尾根を突っ切る。

進みたい方角に進んでいることが確認できた。

読図について、こまごまとしたやり方はありますが、なかなか完璧にはいかないものだというのが私の実感です。

なので、いかにミスに気づいて修正をかけるかが全体の中でも大きな割合を占めていると思いますので、そのためにも上記のような予測と結果の確認はぜひやっておきたいところです。
そして、次また講習の機会がありましたら、その点をまず優先してお伝えできるようにしたいと思いました。

今回はこんな感じです。フォロワーさん、当日はありがとうございました☆
(^o^)/

※2024年1月4日追記※
この時のフォロワーさんが、後日の自主練習の感想として「周囲の地形を見、そっちに注意を払うと、山の魅力が増しますね」(要約)と言われていました。読図によって、またひとつ登山の楽しみを見つけられたようでした
(*^^*)

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