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「パチンコ屋の缶コーヒー」と「社会でのカバン」の似て非なる気遣い

昨年末、最終出社日の退社後に、1年ぶりにパチンコ屋に行きました。
エヴァの新台を打って、初当たりで全回転を引いたたものの、ラッシュは駆け抜けスルー。終始そんな調子で4万円近く負けてしまいました。

まあ、そんなことはどうでもいいのですが、パチンカーの間では、いくつかの暗黙の了解があることをご存知でしょうか。
その中の1つが、「パチンコ屋では缶コーヒーは人」というものです。
パチンコを打たない人にとっては意味がわからないかもしれませんが、空台に缶コーヒーが置いてあったら誰かが打っている、あるいは打とうとしている台ということになります(ただし、空になった缶は除く)。開店前の入り口付近の椅子や地面に缶コーヒーが置かれていたら、抽選や台確保のために先に並んでいる人がいるということです。
もし、その缶コーヒーを除けて台を取ったりしたらトラブル必至ですが、先読みのプロであるパチンカーたちは、そんなハイコンテクストなルールを自然と了解しているので、ホールの秩序が保たれているのです。
(ちなみにその缶コーヒーはパチンコの結果によっては私のように4万円の価値に跳ね上がる可能性があるので、軽々に触れてはいけません。意味がわからない人は缶コーヒーを買ってパチンコを試してみてください。缶コーヒーの価値が高まるほど、懐が寒くなります)

*参考 1:20あたりで詳しい説明があります。

【くずパチ 第18話】もぐら、ついにやらかす!原因はJR!?

しかし、たまに缶コーヒーではなくカバンを置いている人もいます。缶コーヒーよりも大きので存在感という点では勝っていますが、置き引きされる可能性があり、不用意です。カバンはやはり自分の身近に置いておきたいもの。
ちなみにホールの外、つまり普通の大人社会において、このカバンの扱いにも大事なルールがあることをご存知でしょうか。菊地麻衣子『誰からも好かれるさりげない気遣い』で解説されていますので、本記事用に一部抜粋してご紹介しましょう。


いつも身につけているものだからこそ、意識しておきたいカバンの気遣い

☞カバンの扱い方でズボラな内面を露出することも

 あるレストランで食事をしていたとき、とても身だしなみには気を遣われているのだろうと思われる女性が、男性と一緒に入ってきました。オシャレをしたその女性が、ブランド物のカバンをテーブル上にドサッと置いたとき、私は心の中で「あちゃー!」と言ってしまいました。
 皆さんはカバンの扱いにもいろいろなマナーがあるのをご存じですか?
 たとえば、お仕事のときには直立するカバンを持ち、足元に置くことや、ショルダータイプのものを使っているときは、肩から外して受付をするなど、多くのマナーがあります。
 しかし、そのようなマナーを知らなくても、相手の立場になって考えたらできる「気遣い」があります。
 前提として、自分にとっては大切なブランドもののきれいなカバンでも、カバンというのはコートや靴と同じように外で使うものです。だから、床に置くことも想定されて底に鋲が打ってあるものが多いのです。
 こういった理由からカフェや友人宅の食事を載せるテーブルにドサッとカバンを置くことは、そのテーブルの持ち主に対して思いやりの足りない行為ということになります。

いくら高いカバンでも他の人への配慮が優先

 椅子の背もたれにカバンをかける行為も、通行の方の邪魔になる可能性があります。
 私は飲食店でも平気でカバンを床に置いてしまうのですが、最近では荷物置きを用意してくださるお店も増えてきましたので、それを利用してもよいでしょう。そのときにも他人の邪魔にならない位置かどうかを気遣えるようにしたいものです。
 あくまでカバンは物です。どれだけ高い物でも、人の邪魔をしたり、不快な思いをさせるアイテムにしてはいけません。
 和室の床の間もかけ軸や生け花を飾る神聖な場所ですし、その家主の心配りの表れる場所です。旅館や招待された家に和室があった際には、せっかくの心配りを台無しにしないように、床の間にカバンを置くのは避けたいですね。

荷物は自分の身体の範囲に収める

 また、公共交通機関でも、バッグが人の邪魔をしてしまっているシーンを見かけます。
 混雑した電車の中では肩かけのカバンは肩から外して身体の前に持つ、リュックは背中から下ろして前に抱えるなど、「自分の身体の範囲」に収めるように気を遣わなければなりません。
 キャリーケースを引き慣れていない方もよく見かけますが、このときのポイントも「自分の身体の範囲」に収めることです。
 引くときには手持ちバーを中程まで伸ばし、自分の身体の真後ろで肘を伸ばし身体に引き寄せながら歩きます。これを自分の横で引くのは歩きにくいだけでなく、幅を取ります。
 また、キャリーケースを自分の後方にして引っ張っても、身体から離しすぎていると、それにつまずいてしまう通行人も出てしまうので気をつけましょう。

マナーを知らなくても、正しい判断をするためには

 誤解されている方が多いのが、美術館や博物館などの場でのカバンの扱い。
 そういった鑑賞施設には、ほぼコインロッカーかクロークが置かれています。
 それは「身軽な状態で観てください」という施設側の配慮と思われている方が多いようですが、実はそれだけではありません。
 美術館や博物館というのは多くの方が同じものを観るために、お互いの気遣いが必要な場所です。そこで、もし大きなキャリーケースを引きずっていたり、肩かけの大きな荷物で展示スペースの幅をとっていたら他の方に迷惑がかかってしまいます。
 必ず持って出かけるカバンだからこそ、その扱いによって印象が大きく変わります。
 自分が快適かどうか、使いやすいかどうかの前に、「人の邪魔をしていないか」「人を不快にしていないか」を基準に扱えれば、マナーを知らなくても判断ができるのです。
 デートの際にも、せっかくオシャレをするアイテムで自分の評価を下げることのないように気をつけたいですね。


パチンコ屋にもコインロッカーがあるので、大きな荷物を持っている場合は、他人の迷惑にならないように利用したいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 い しぐろ)


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