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なぜ、他国と比べて日本のギャンブル依存症の割合は高いのか?

先日、高知東生さんのツイートを読んで、ハッとしました。

私がインタビュアーだったら、おそらく同じ質問をして、呆れられていたことでしょう。確かに、依存症になる・ならないは性格ではなく、環境要因が大きいはずです。
私も、依存症一歩前まで行ったことが何回かあります(客観的に見たら、すでに依存症だったかもしれませんが)。ストレス発散と遊ぶ金&脳汁欲しさにパチンコ依存、飲まなきゃやってられないということでアルコール依存、早朝出勤・深夜退勤によって出勤も退社も電車を使わずにタクシー依存……。私の意志の弱さがあったことは否定できませんが、そのころの環境の影響が大きかったと思います。

ちなみに、依存症といえば、私が高校生のころにやっていた、テレビ朝日「サタデージャングル」という報道番組を思い出します。ある日の特集コーナーで「セックス依存症」を取り上げていました。今から30年近く前の番組ですが、当時としてはかなり時代を先取りしたテーマです。
深刻なVTRが終わったあと、MCの麻木久仁子さんが、コメンテーターとして出演していた松村邦洋さんに話を振ったのですが、そのときの発言が不適切にもほどがあり、今も記憶に残っています。
「僕も、ある意味、セックス依存症ですけどね」
麻木久仁子さんは苦笑いをするだけで、すぐにCMに入りました。

そんな与太話はさておき、2月に刊行された『大人も子どもも知らない不都合な数字』では、ギャンブル依存症に関する興味深い数字を紹介しています。本記事用に抜粋し、お届けします。


日本人の2.2%がギャンブル依存症!?

#ギャンブル依存症 #ギャンブル等依存症対策基本法 #パチンコ
2021 年度に成人8223 人を対象に行った調査で、2.2%の人がギャンブル依存症の疑いがあることがわかりました。男性は3.7%、女性は0.7%と、男性の割合が高いこともわかっています。
ギャンブル依存症とは、「ギャンブル(結果が偶然に左右されるゲームや競技等に対して、金銭を賭ける行為)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態」のこと。
ギャンブル依存症は、ギャンブル依存に留とどまらず、それに関連した多重債務や貧困、虐待、自殺、犯罪などさまざまな社会問題と密接に関わります。
なかでも多いのは「パチンコ・パチスロ」に依存する人。依存症の疑いがある人の7 割以上の人が、過去1 年で最もお金を使ったのは「パチンコ・パチスロ」だと答えています。
海外に目を向けると、生涯のうちにギャンブル依存症にかかる割合は、オランダが1.9%(2006年)、フランスが1.2%(2011年)、スイスが1.1%(2008 年)。他国と比べても日本のギャンブル依存症の割合は高いといえそうです。

#ガチャ #課金 #ドーパミン #病的賭博
また、近年ではスマホゲームの「ガチャ」への高額課金が問題になっています。射幸心をあおるガチャは、パチンコなどのギャンブルと同様に依存性が高く、ハマると危険です。ガチャを回す際、脳内でドーパミンが放出される快感が中毒になって課金を繰り返した結果、何百万円もの負債を抱えて破産する例が増えています。
ギャンブル依存の割合が高い日本人は、スマホアプリの課金額でもダントツの世界一。課金の多くはガチャなどギャンブル性の高いものに使われていると考えられます。

ギャンブル依存症は、1970 年代後半にWHO(世界保健機関)において、「病的賭博」という名称で正式に病気として認められました。ギャンブルをやりたい気持ちをコントロールできずに生活に支障が出るほどハマってしまったら、それはもうギャンブル依存症にかかっている可能性が高く、自分ひとりでは解決できません。そうなったら、早期に専門家のもとで治療に取りかかったほうがいいでしょう。

参考
●令和2年度依存症に関する調査研究事業「ギャンブル障害及びギャンブル関連問題の実態調査」
(久里浜医療センター、2021年)
https://www.ncasa-japan.jp/pdf/document41.pdf
●ギャンブル依存症疑い320万人 厚労省推計、諸外国と比べ高く(日経新聞、2017年)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H65_Z20C17A9CR8000/
●ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_012/
●「しらふが怖かった」課金ゲー、スマホ…重なった依存(朝日新聞、2021年)
https://www.asahi.com/articles/ASP2K44K8P1TUTIL017.html


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石  黒 )

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