見出し画像

会議中のマルチタスク「グレーノウハウ」で効率を上げよう!

本日、月初の木曜日は、社内の全員が集まる会議、編集会議、新刊のタイトルを決めるタイトル会議が重なっています。しかも、私のnoteの投稿は木曜日が当番なので、なかなか身動きがとれません。
こういう日は、いろいろ忙しいので仕事をやった感は出るものの、実は大した成果を生み出しているわけでもない、生産性のない1日になりがちです。

そんな、避けて通れない嫌われ者代表の会議。会社員の我々は、少しでも生産性を上げるためにどのように向き合えばいいのでしょうか。

以下、鈴木邦成『はかどる技術』の中からヒントになりそうな箇所を一部抜粋して掲載いたします。

ちなみに、「グレーノウハウ」という聞き慣れない言葉がでてくるのですが、要は会議中の「内職」です。「内職」だとしょぼい感じですけど、「グレーノウハウ」だとカッコよく感じる不思議。


会議は悪という意識を徹底し、3つの対処をする

報告がほとんどになってしまう会議

 本来、会議とは特定の議題を設けて意見交換をして、合意、意思決定を行うものです。しかし、日本の場合、多くの会社の会議は「進捗状況の報告」に終始しています。

 よくZ世代が「それはメールで済む話ではないですか」と批判的にとらえていることが話題になりますが、まさしくその通りでしょう。
「みんなで会うことに意味がある」「意見交換は対面でないと説明できないニュアンスがある」といったことが会議開催の根拠となることがありますが、実際は資料や書類の読み上げや読み合わせなどがかなりの部分を占めています。
 また「議論したうえで決定する」ことになっている検討・審議事項は、長々と議論しても結論が出ないことがほとんどです。
 実際、「何かを議論して決める」ことは、ガチでやろうとするとなると、非常に時間がかかります。1年議論しても喧嘩別れにしかならないというケースもザラです。会議で決まるとは「どこかで妥協する」ということ。「議論して、よりよい結果が出た」ということは、めったにないといってもいいすぎではないのです。

会議の準備に時間をかけるのは自己満足

 では、会社の長時間に及ぶ会議についてどのような姿勢で臨めばよいのでしょうか。
 考え方としては3つあります。
「効率的な会議のやり方」を説いた本はとても多いのですが、実は会議で発生する滞りは会議の前後に発生しています。
 たとえば、「効率的な会議にするために資料をたくさん用意する」のはどこの会社でも行われていることですが、これが滞りの要因をつくり出しているようなものなのです。
 当たり前のことですが、資料が多くなれば必然的に会議は長くなります。議論・検討以前にその資料の説明、これまでの進捗状況の説明などが加わります。プレゼンだけで30分くらいかかることもザラでしょう。
 そうなると会議は延々と終わらないかもしれません。しかも資料づくりに1週間以上かけたりすれば、どう考えても短時間では終わりません。
 資料というのはつくり込めばつくり込むほど、専門性が高くなります。大人数で会議に出席しても、内容を理解できる人は一握りになります。ムダな進捗状況報告などを省き、資料も最小限で済むようにして出席者はできるだけ絞ります。
「資料はなくてもよい」(どうせ後でほとんど見返さない)「出席者は最小限」(多くの人は発言しない)を徹底するのです。

日本の会議は出席することに大きな意味がある

 しかし、こういうと「そんな会議改革はできない。ウチの会社は保守的なので……」という人もいると思うので、そういう場合には、2つめの考え方で対応することを勧めます。
 会議のなかには「何もしなくていいから、とにかく関係者が出席してほしい」という類いのものがかなりあります。とくに大人数で行う会議はそうでしょう。
 こうした会議は「出席することが大きな貢献」と自分に強く言い聞かせることが大切です。「出席しているだけでは意味がない」というのではなく、「無事に出席できたことに満足する」という考え方です。
 1つめの考え方に比べて、2つめの考え方はいささか後ろ向きの考え方のように思えますが、実際はそうでもありません。逆に「毎回きちんと出席している」というのは当たり前とはいえ、社内で評価されることにもなります。したがって、それなりにモチベーションも高まります。
 また「出席することが役割」と自分に言い聞かせることで「会議では発言しなければならない」などの心理的なプレッシャーから解放されることにもなります。野球やサッカーなどの団体スポーツでも好成績を上げる以前の問題として重視されるのは「全試合出場」などのいつも存在するという実績です。
 メジャーリーグに「偉大なる2割5分打者」という考え方があります。試合で大活躍しても頻繁に欠場する選手よりも、打率はソコソコでも長期にわたって全試合出場する選手がチームとしては評価できるという発想です。会社の会議もこれに似たところがあるのです。「ものすごく立派なプレゼンを年に1回くらいするものの欠席は多い人」よりも、「特別なことは何もしないが毎回必ず出席する人」が社内評価は高いのです。

会議中のマルチタスクが認められる時代

 3つめは実践するかどうかは自己責任でお願いしたい考え方です。それは会議中のマルチタスクです。
 会社によってはグレーノウハウというかたちで会議中のマルチタスクを容認しているところがあります。グレーノウハウとは「面と向かって聞かれれば、否定せざるを得ないことでも、暗黙のもとに認めている」というアンリトゥンルール(unwritten rule)のことです。
 最近はパソコン持ち込みの会議などではマルチタスクをグレーとしてではなく、認めている会社も増えているようなので、グレーノウハウにかかわらず、思い切って上司や同僚にマルチタスクを提案してみてもよいと思います。
 それでも認められない場合は、長時間会議の場合、必ず休憩を提案するようにしましょう。たとえば、10分の途中休憩があれば、簡単な電話やメールの連絡は取引先などに入れられます。あとあとのタイパを考えると、「会議途中の朝11時にメール返信した」というのと「会議が延びたのでメール返信は午後になってしまった」というのとでは、かなりの差になる可能性もあります。
 ちなみにマルチタスクといっても、ガチで別の本格的なタスクをするのではなく、メールの返信やパソコンで書類作成などの短時間で行えるライトタスクです。
 しかし、会議が長時間に及ぶようならば、こうしたちょっとしたマルチタスクを入れることで前後の滞りは格段に解消されるようになるのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 いし 黒 )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?