中間管理職の役割が変わってきた!?
フォレスト出版編集部の寺崎です。
先週土曜日に「トップダウン」でも「ボトムアップ」でもない最適解は「ミドル・アップダウン」である話をご紹介しました。
今日はその続きです。以下、同じく中尾隆一郎さんの最新刊『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』から抜粋記事をご紹介します。
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再び注目を浴びている「中間管理職」
しかし、「ミドル・アップダウン」にもデメリットといえる実現が難しいポイントがあります。それは、この「アップダウン」を行える「ミドル=中間管理職」が、組織の数だけ必要になる点です。
最近は、ミドルである中間管理職は、マネジメント業務に加えて、自分自身もプレイヤーであることが少なくありません。
つまりプレイヤー業務、通常のマネジメント業務に加えて、新たに「アップダウン業務」が求められるのです。これを「あなたたち中間管理職の仕事だからやるべきだ」と、押し付けるだけでは何も解決しません。必要なのは次の3つです。
❶中間管理職の育成
❷現場の見える化
❸アップダウンする仕組み
新たな「ミドル= 中間管理職」を育成する
私自身もリクルート時代に、この中間管理職の育成と現場の見える化、そしてアップダウン」をする仕組み作りに積極的に取り組んでいました。
まず、育成については、中尾塾という中間管理職育成塾を組織内に作り、次の中間管理職候補を育成し続けました。育成には、一般的には、セミナーや研修形式で知識やスキルを習得するOff‐JT(職場外研修)と実際の仕事を通じて知識やスキルを習得させるOJT(On the Job Training)の2つを組み合わせることが必要です。
なぜ、2つを組み合わせる必要があるのか。
片方のOff‐JTとして研修やセミナーを実施し、スキル習得を行ったので、「もう現場で実践できますね。頑張ってください!」だけではうまくいかないということです。
中間管理職のみなさんが、学んだスキルや知識をどのように現場で活用しているのか、それを「見える化」して、必要に応じてOJTで支援する必要があるのです。
それは、中間管理職が、知識やスキルを習得したからといって、それを実際に現場で実行できるかどうかは分からないからです。
「知っている」と「できる」の間にある大きな溝
知識やスキルを習得して、それをいつでもできるようになるには、次の5つのステップがあります。
具体的には、「知らない」⇒「知っている」⇒「理解する」⇒「実行する」⇒「できる」の5つのステップです。
そして、それぞれのステップの間には大きな壁、溝が横たわっています。
例えば、O f f‐JTで知識やスキルを習得できたら「知らない」→「知ってい
る」に変わります。しかし、「知っている」からといって、できるかどうかは分かりません。
中間管理職が、学んだことや方針を「できる」ようになるために、「理解する」以降を「見える化」して、必要に応じて中間管理職を支援することが、トップや本部機能に求められているのです。
そして、これらを実施してこそ、「現場の意見がトップに伝わり、それを参考にトップが判断し、それを現場に伝え実行する」というミドル・アップダウンのサイクルが回り出します。
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「中間管理職」というと、上からも下からもつつかれ、クタクタになるイメージですが、これからこの「プレーヤーでもあり、マネジャーでもある中間管理職」の役割がさらに強く求められているようです。
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