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完成したのに、いろんな事情で発売日が決まらない「洗脳商法」を教える本

とっくに見本が仕上がり、初版分がすべて刷り上がっているのにもかかわらず、発売日がまだ決定していない新刊があります。
その本のタイトルは『MindControlMarketing.com(マインドコントロール・マーケティング・ドットコム)』。原題も邦訳版タイトルも同じです。

原書
邦訳版。シュリンクされています。
「本書には非常に影響力の強い情報が記されている。そのため、正しく使用することを誓約した場合にのみ利用可能とする」と注意書きがあります。
「解禁!」とありますが、本当に解禁したい!

あの伝説のマーケティング本『オレなら、3秒で売るね!』のマーク・ジョイナーの著作の翻訳書です。

旧版は絶版。新版をこちらのサイトでご購入できます。初版分は完売御礼!

本書を翻訳しようという動きは2年近く前からあり、途中、頓挫しかけたこともありますが、なんとか完成にまでこぎ着けました。邦訳版用に新たにインタビューを収録するなど、著者のマーク・ジョイナーも協力的でした。
ところが、なぜ発売されないのか?
それは大人の事情だったり、社会的な事件の影響だったり……。

原書が発売されたのは2002年で20年ほど前の本ですが、個人的には『オレなら、3秒で売るね!』よりも事例や手法に普遍性があるために汎用でき、かつ、マークのインテリジェンスが際立った作品だと評価しています。
翻訳をしたのは、林田レジリ浩文氏。『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』などのベストセラーを手掛け、『オレなら、3秒で売るね!』で話題になったヤンチャな語りぶりは今回も健在です。

編集をした私としても、本書をいつまでも塩漬けにしたくないので、販売担当にプレッシャーをかける意味でも、ここに「まえがき」だけでも公開しておきたいと思います。


まえがき 正しい洗脳の方法を伝えていく

道徳的な洗脳

MindControlMarketing.com(洗脳商法ドットコム)』なんてうさん臭いにもほどがあるタイトルをつけた以上、著者にはその本がまっとうな意図を持って書かれていることを説明する責任がある。
 まずこの本の目的はあなたの商売の影響力、マーケティング力を爆発的に上げていくことにある。特にネットでビジネスをする人には役に立つように書いた。
 マーケティングだけではない、説得力を高め、リーダーシップを発揮し、上司・同僚・部下とのコミュニケーションスキルを上げたいと思うすべての人はこの本から多くを得られることを約束する。
 人間が感情の動物でもある以上、その心理に精通することであなたが得られるものは多い。人間の心理は、しかしとても複雑で曖昧だ。オレたちは毎日望むと望まざるとにかかわらず他人の心と向き合っているが、心とはあまりにもとらえにくいものだ。だからたいてい、無意識に心と向き合っていることになる。
 ダチをどこかに連れて行こうとする、ガキにあなたの言うことを聞かせようとする、逆にガキがあなたに何かを買わせようとする。
 そんな日常的なやり取りも人の心理に精通していればずいぶんやりやすくなる。
 いずれにしろ、それと毎日関わらざるをえないなら、そんな「ワザ」を思いっきりうまく使えれば人生どれだけ得をするかわからない。
 人の心理をうまくついて人を説得できたとする。
 それ自体は何の問題もない。
 しかし、相手があなたの邪な意図を感じてしまえば話は別だ。相手はあなたを信頼していいかを疑問に思うだろう。
 そういうと、「つまりは説得しようとすること自体が反道徳的なんだな」と思う人もいるかもしれない。
 じゃ、聞くが、インドの聖人ガンディーが人々を非暴力のプロテストに導いていったということをどう思うのだろう。18世紀、アメリカ建国の父たちが英国の圧政に抗うために人々を導いて立ち上がったことも。それも「反道徳的」なんか?
 そう考えると説得や洗脳、それ自体が悪いわけじゃなくて、その意図と使い方こそが問題であることがわかる(ま、ナチでさえも自分たちの意図は正しかったと思っている節もあるから、それがすべてじゃないけどな)。
 中にはどんなにその主張が相手を思ってのことだったとしても、説得や洗脳の「ワザ」を使うこと、それ自体が問題だという人もいる。このこともわからなくもない。
 だが、オレの見るところ、彼らの心の中のさまざまな理由で、それがバリアとなって本当に自分がしたいものから目を背けている人も多くいるようだ。
 オレが考える洗脳や影響力の行使とは、そんな相手の心理的なバリアをなくしてあげることだ。
 誰かがあなたの提供するものを欲しがっているとする。あなたもそれがその人にピッタリのものだとわかっている。それなのに、相手はなぜかその決断ができない。そんなときにこそ、オレがこれからあなたに話していくこの洗脳のワザが役に立つ。心理的なバリアを軽々と超えさせてあなたの望むように持っていく。洗脳の力はそれほど強い。
 たとえば、誰かのことを本当に好きなのに何かがそう告白することを邪魔している。そんな恋の手伝いをこの力でできるとすれば、それが反道徳的なわけがない。
 とどのつまり、相手が正しい選択をすることの手助けをすることができるか否か、そのことが道徳的か反道徳的かの分水嶺だとオレは考えている。
「正しい使い方をしてください」「悪いことには使わないでください」と言ったって、その人によって正しいこと、悪いことは異なっている。人それぞれだ。
 もう一度言うと、ここでは相手に正しい選択をする機会を与えること、それこそが道徳的な洗脳だと定義しておく。

気づかれる前にオレが言おう

 これが、オレがネットを大好きな理由でもある。そこでは面と向かった説得のような強引なやり方の多くが使えない。相手も簡単に逃げられるからね。ま、いろいろ言ってきたが、オレがこれからあなたに話すことの多くが不埒なことにもばっちり使えちまう。それでもオレがこれらのやり方を白日の下にさらすのは、不埒なヤツらも遅かれ早かれこれらのことを知ってしまうと思ってるからだ。だったらオレが言ったほうが早い。
「正しい選択をするのに、なぜに『洗脳』なんてタイトルをつけるの?」としつこく聞いてくるヤツもいる。
 ま、とにかく読んでくれればその意図もわかるだろうが、一番の理由はその言葉が人の目を引くからだ。
 あなたがこの本を読んでみようという気になったのも、そういうことだよな。


発売日が正式決定したら、またこの場を借りて報告させてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(いしぐろ)

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