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言われてみれば確かにそう…会議を短くするには○○をあらかじめ決めておく

「世の中の会議は長くて、時間の無駄っ!」(CV:渡辺謙、ハズキルーペ「世の中の文字は小さすぎて、読めないっ!」風に)
と感じている人は多いはず。

もうこれはどこの会社でも「あるある」なのではないでしょうか。
本日は編集会議があるのですが、だいたいいつも3、4時間はかかります。ただ、編集会議については、編集部全員のアイデア出しがメインで、そこから思いもよらぬインスピレーションを得ることができる大事な機会です。ですので、こうしたまとまった時間を使うことは、売れる本をつくるうえでは必要な過程ともいえます。
一方、誰が決裁権を持っているのか、誰が責任者なのかよくわからない会議で、「来季のための新しいビジネスモデルを検討しよう」といった抽象的なテーマを扱うと、高確率で出された意見が宙ぶらりんになったうえに、時間がかかり、「では、次回にまた……」となるものです。
では、できるかぎり時間の無駄をなくし、結論を先送りにしない会議にするためにはどうすればいいのでしょう?
そのヒントが記されているのが、小手先のテクニックではなく、頭のスイッチの切り替えで効率化をはかるビジネスハックを紹介している、羽田康祐『無駄な仕事が全部消える超効率ハック――最小限の力で最大の成果を生み出す57のスイッチ』です。

以下、本書の内容を本記事用に一部抜粋、改編して転載します。

場の空気→決め方


一般に会議の流れは、次の4 つのステップをたどります。

① 共有:ゴールや議題を共有する
② 発想:意見やアイデアを出し合う
③ 収束:意見やアイデアを絞り込んで結論を出す
④ 展開:結論を次の活動に反映させる

この中で「共有」「発想」までは順調に進んでも「収束」の段階になると「選ぶ判断」「捨てる勇気」が伴うので、一気に生産性が下がってしまうのは「会議あるある」です。
特に日本人は、場の空気を読む文化なので、せっかく出してもらった意見やアイデアを「絞る」「捨てる」のが苦手です。
もし、会議において「絞り込む」「捨てる」に課題を感じているなら、「あらかじめ、決め方を決めておく」ことが有効です。

一般に、会議での結論の決め方は、次の3 パターンがあります。

パターン1:多数決で決める
パターン2:判断基準に照らして決める
パターン3:リーダーが決断する

パターン1:多数決で決める

筆者がよくやるのは、一つひとつのアイデアを壁やホワイトボードに貼り出したうえで番号を振り、参加者には支持するアイデアの番号を紙やポストイットに記入してもらう方法です。
それらを回収して数え上げ、一番支持が多かったアイデアを結論にします。
この方法のメリットは、無記名で記入してもらうため、「誰がどのアイデアを支持したか?」が最後までわからないことです。このため、無用な忖度を排除することができます。
また、ポストイットに記入してもらう作業は長くても10 分程度ですから、会議の時間が限られている場合にも有効な手段です。
しかし、デメリットもあります。
この方法はあくまで多数決なので、「誰もがまあまあ良いと思える、無難なアイデア」が採用される傾向にあります。逆を言えば、「少数派が熱狂的に支持する、エッジの効いたアイデア」は採用されにくくなります。

パターン2:判断基準に照らして決める

たとえば、一つひとつのアイデアに対して「効果」「実現の容易さ」「コスト」などの判断基準を設けておき、判断基準ごとに点数をつけ、一番点数が高いアイデアに決める方法です。
この方法は合理的な判断基準が存在するので、メンバーそれぞれが納得しやすくなります。
しかし、別途「そもそもどのような判断基準がふさわしいか?」に関する議論が必要なので、多数決に比べると時間がかかってしまうのがデメリットです。

パターン3:リーダーが決断する

そもそも最終的な意思決定に責任を持つのがリーダーの仕事ですから、責任と権限の一致の原則からすれば、最終的にリーダーが決断するのが合理的です。
また、決め方を「リーダー一任」とすれば、「少数メンバーが熱狂的に支持する、エッジの効いたアイデア」が採用される余地も生まれます。

このように、それぞれの「決め方」には一長一短があります
が、筆者のおすすめは「多数決」と「リーダーの決断」を組み合わせて決めることです。いわば「現場の意見を理解したうえで」「最後にリーダーが決断する」という決め方です。
リーダーの決断は、方法を間違えると独断専行になり、「そもそも現場で議論する意味がなかった」という不満が生まれ、「リーダーの能力の限界が、チームの能力の限界」という結果になってしまいます。
これを避けるためには、次の2ステップが必要になります。

ステップ1:現場による多数決の結果と、その内容・意見をリーダーが理解する
ステップ2:「無難なアイデア」か「一部が熱狂的に支持されるアイデア」かを、リーダーが最終的にジャッジ

現場の多数決だけで物事が判断できるなら、そもそもリーダーは必要ありません。リーダーとは、現場が判断できない物事を自分の責任で決断するのが仕事なのですから、最後はリーダーの結論に委ねるのが合理的と言えるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石黒)

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