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書籍の売れに絶大なる影響を与えるイラストについて

本当に絵心のない私としてはイラストレーターや漫画家さんは憧れの存在です。
高校生時代、綾波レイを描く練習をしまくりましたが、まったく上達せず。今となってはとても失礼な話なんですが、当時買っていた雑誌の杉作J太郎さん(もともと漫画家さん!ということを知らず、ただのサブカルライターだと当時は思っていた)のコラムかなんかに、自筆の綾波レイの挿絵があったのですが、せめてそのクオリティくらいには上達したいなどと、身の程知らずに考えていたものです。

さて、イラストは装画においても挿画においても、その書籍の内容を直感的に伝えたり、世界観をつくるうえで非常に強力なアイテムの1つです。とくに同じ「そうが」でも、装画については、その本の売れに絶大なる影響を与えることがあります。なんてったって、本の「顔」になるわけですから。

おかげさまで、昨年12月に刊行されて16万部を突破した『塾へ行かなくても成績が超アップ!自宅学習の強化書』(葉一)においても、装画のイラストはその売れに大きく貢献しています。

この本は、中学生をメインターゲットにした勉強法の本です。
出版以前から、学参コーナーにはさまざまな類書が出ていたのですが、中でも定番書として売れているのが学研プラスさんから出ている『中学の勉強のトリセツ』でした。この本については、『自宅学習の強化書』の著者・葉一さんも絶賛していました。

ご覧いただければわかるように、アニメ調のイラストが印象的な装丁です。おそらく、現役の中学生にとっては、文字だけのレイアウトよりも、イラストがあったほうが親近感が湧き、そこに描かれているシーンも自身の学校生活と重ねやすいはずです。
だから、「これは、自分のための本だ」と直感的に判断し、手に取られ、定番書としてロングで売れるわけです。
……と、そんな仮説を立てて、『自宅学習の強化書』でも装画を入れることとにしました。
デザイナーさんにイラストレーター候補を出していただいたのですが、その中の1人が「みずす」さんでした(「みすず」ではなく、「みずす」です。要注意です)。

すっごいさわやかですよね。「絶対、この方に描いていただきたい!」と思い、依頼しました。

中学生の女の子が自分の部屋で勉強している。机にはタブレット端末もある(葉一さんの授業動画を見ることがあるため)。その様子をお母さんが後ろから見ている感じに……

こんな大雑把なイメージを伝えただけで、あんなに素敵な装画を描いてくださり、「この本は売れる!」と確信したものです。
(当初は被写体を男の子にしようと思ったのですが、著者の葉一さんの既刊本の購入者は女性のほうが多かったので、女の子にしました)
事実、この挿画に対して読者はもちろん、書店さんからの評判がとてもいい。書店さんからの評価が高いということは、それだけ「広く、長く展開したい」と思ってもらえているということであり、とどのつまり、ベストセラーにつながりやすいということです。

さて、刊行から半年以上が過ぎ、もう7月。季節は夏です。
おかげさまで、引き続き書店では大きく展開いただいております。

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▲ 6/28 ブックマンズアカデミー高崎店様

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▲ 7/7 啓文堂書店橋本駅店様

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▲ 7/5 須原屋本店様

ただ、装画の女の子は、パーカーを着ているので、季節は秋か、あるいは冬です。ちょっとミスマッチかもしれません。

この女の子は、夏休みが始まってからは、どんなふうに自宅学習をするんだろう――?

そんな私の妄想がきっかけでした。
イラストレーターのみずすさんに再度お願いして、女の子の夏の姿を描いていただきました。
それを販促用のパネルにしたのが次のものです。

キャプチャ

あれ!?弟がいるの?
ランドセルがあるからきっと小学生だろうな。
夏休み中の登校日だったのかな。
やっぱ、夏といえば麦茶だよね。
お姉ちゃん、弟の宿題を教えていて偉いな……。

そんな世界観、ストーリーを書店にいらした方に共感していただけるイラストを描いていただきました。
本書は中学生がメインターゲットですが、小学生、高校生にもヒントになる情報が満載です。それを意識して、小学生の弟を登場させました。

今年の夏休みも自粛が続きそう。それでも、子どもたちがこんなふうに家の中で過ごしてくれたら……。

書店を訪れた保護者の方に、そのように刺さっていただけたならうれしいです。

(編集部 石黒)

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