はじめに

司法書士簡裁訴訟代理等能力認定考査の過去問のうち,要件事実に関する問題(一部は、すべての問題)について,参考解答例を作成しています。
私は,平成29年度司法書士試験,平成30年度認定考査に合格しております。その後,予備試験,司法試験に合格し,要件事実についての学修のために,改めて解いています。いずれも,附則規定にかかわらず,現行民法(改正民法)を前提にしています。
(少なくとも司法修習中の起案では,)参考文献に挙げた『事実摘示記載例集』の表現が望ましいと聞いていますので,表現はこれに合わせています。
個人の学修のために作成したもののため,必ずしも正確性は担保されていませんので,ご留意ください。

参考解答例の作成にあたって、参考にした主な文献は、以下のとおりです。
考え方 加藤新太郎編『要件事実の考え方と実務〔第4版〕』
30講 村田渉=山野目章夫編『要件事実論30講〔第4版〕』
記載例集 司法研修所『「10訂民事判決起案の手引」別冊 事実摘示記載例集―民法(債権関係)改正に伴う補訂版―』
概論 高橋宏志『民事訴訟法概論』(有斐閣・2016年)
手引 日本司法書士会連合会『司法書士簡裁訴訟代理等関係業務の手引ーー平成29年版ーー』(日本加除出版・2016年)

○受験体験記(参考)
私は,認定考査までに,過去問3周,30講1周程度の問題演習をしました。成績開示の申請をしなかったので,成績はわかりませんが,考査当時の手応えは,十分あったと記憶しています。
100時間の特別研修だけで,要件事実を(認定考査に合格するレヴェルでさえ)マスターすることは不可能です。自学自修は,必要不可欠だと思います。実体法の要件(効果)と要件事実は異なるので,最初は,答えを見ながらでも,過去問を解き進めて,解きながら身につけていくのが良いと思います。30講は,「言い分」の文章は短いですが,過去問より難しい(と感じた)ので,過去問を何周かして,気分転換に解きました。

考査には直接関係ありませんが,裁判文書,公文書の書き方には,一定の作法があるので,特別研修中に身につけておくことをおすすめします。例えば,岡口基一『要件事実マニュアル1』 (ぎょうせい・2015年)43頁以下が,参考になります。裁判業務に携わるつもりはない,という人もあるかと思いますが,接続詞の使い方や送り仮名などは知らないと,法律家としての能力を疑われかねないので,早めに身につけておくことをおすすめします。

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