見出し画像

まだ世間にギリ見つかってない素敵な漫画


記事タイトルはview数稼ぎたくて、いかにもな謳い文句にしました。たまにはいいじゃないか、ちょっとくらい世俗的になったって。
てことでここ数年読んだ作品の中で「こりゃあ面白いぞ。。」と思った漫画の紹介。


・フールナイト(安田佳澄)

ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなった遥か未来の地球。
植物が枯れ酸素も薄くなった世界。
しかし人類は、人を植物に変える技術を開発し、わずかな酸素を作り出して生き延びていた。
先の見えない世界でも人として生きるか、苦しみを捨て植物として新たな生へ踏み出すか。
スペリオール作品紹介より引用

設定大好きマンの自分からしたら、涎出まくりのこのディストピア設定。
”ちょっと人並外れた能力を持った主人公が、周りの困ってる人を救う”という王道展開ではあるものの、主人公がやたら厭世的な性格だったり”人類を救う為に人類を植物にする”などというぶっ飛んだ設定のおかげで、比類ない読みごたえがある作品。
テーマは”貧富の格差”、”人権問題”、”権力の衝突”とこのご時世眩暈がするようなものではあるが「一体誰が悪いのか」がストーリーを追うごとに変わっていくのも読んでて楽しい。
若干絵に癖はあるものの、設定力と構成力は完璧。ハガレンとか好きな人はハマりそう。



・違国日記(ヤマシタトモコ)

少女小説家の高代槇生は、疎遠だった姉の死を知り、遺された姪の田汲朝を引き取る事を決意する。人見知りで、誰かと暮らすには不向きな性格の槇生は、突然降って湧いたような同居人の存在に困惑する。一方で15歳の朝は、明らかに両親や先生とはタイプの違う「大人らしくない大人」である槇生との暮らしを素直に受け入れ、新たな生活に順応していく。不器用人間と子犬のような姪の、突然変化した日常を描く歳の差同居譚。
マンガペディアより引用

個人的好きな漫画ランキング、不動の1位であった「ハチミツとクローバー」をここ数年でぐぐぐっと抜いていった作品。
文量が多い作品ではないものの、セリフの一つ一つがそのまま読み過ごせる質量ではなく、心の中で反芻しているうちに読み終えるのに30分くらい掛かってしまう。
恐らく登場人物との共通項が多い読者はそんなに多くないと思うが、それでもこれだけファンがいるのは「多様な価値観を受け入れること」がこの作品の主題だからではないかと思う。
他者とのコミュニケーションの仕方や、自分の価値観への向き合い方を再度考え直すきっかけにもなるこの本。既に色んな賞にノミネートされている作品だが、もっと広まれと思いここでも紹介しました。




・片喰と黄金(北野詠一)

19世紀中ごろ、アイルランドを大飢饉が襲った。痩せ果てた祖国で、アメリアと従者のコナーは、ある噂を耳にした。遠く海を隔てた北米の地、その西の果てで、湧くほどの黄金が出たという。この世のすべてを見返すため、黄金を求め、主従は西を目指す。本格北米大陸放浪譚!
コミックdaysより引用

2年前に初めて読んだときは「これ来年あたりにはマンガ大賞取ってアニメ化してるはず.…」と思ったものの、未だ知る人ぞ知る漫画となっているこの作品(単純に先見の明がない)。
どのページにも「作中には扱われている時代背景に則した表現(人種差別・児童虐待等)があります」と書かれているくらい主題としては重めなものの、テンポのよく交わされる台詞やコミカルなタッチのおかげで過度に悲観的にならずに読み進める事が出来る。
普段馴染みの無いアイルライド文化やゴールドラッシュ下のアメリカ情勢などについても学べつつ、一番の魅力はやっぱりキャラクター一人一人がめちゃくちゃ愛らしいこと。
あと作者の方がTwitterに乗っけるイラストもめちゃかわいい。

この記事が参加している募集

今こそ読みたい神マンガ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?