三人の俳優の『幸福の黄色いハンカチ』のエピソード
寒い春です。すでに田圃に水が放たれています。梅,桃,桜が今か今かと出番を待つ。
先日、阿部寛主演の「幸福の黄色いハンカチ」(Blu-ray Disc)を偶然見ました。
知らなかったエピソード(秘話)がいくつもありました。
備忘録に残していつでも取り出して読みたい…そう感じました。
高倉健さん主演、山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」が有名です。 1977年
監督: 山田洋次
原作者: ピート・ハミル
映画脚本: 山田洋次、 朝間 義隆
『山田は製作にあたりピート・ハミル側と交渉したが、代理人によるとハミルは日本の電気製品がアメリカ市場を荒らしているとして日本に好意を持っておらず、作品の上映は日本国内限定で海外に出すことは絶対に認めないとの厳しい条件つきで承認を得た。
封切り後、高い評価を得ていくつかの賞を受賞したことから配給の松竹は海外への輸出を考え、ハミルに認めてもらうため山田がニューヨークに出向いて映写会を開いた。字幕もなく通訳が要点を説明するだけだったが、鑑賞したハミルは「ビューティフル」と称賛し喜んで輸出に賛成したという』
「幸せの黄色いリボン」
Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree)は、アメリカ合衆国のポップスグループ、トニー・オーランド&ドーンが1973年にリリースした楽曲。
「幸せの黄色いリボン」
トニー・オーランド&ドーン の シングル
リリース 1973年2月19日
ジャンル ポップス
"幸せの黄色いリボン”から、さらにその元ネタがあった、という話がありました。
歌詞には元ネタがある。口頭伝承により内容に違いがあるが、概ね以下のような話である。
刑務所を出所した男が故郷に帰ろうとしていた。男は出所前に手紙を出し「もし、自分の帰りが望まれるなら、木の幹に白いリボンを結んでおいてほしい」と頼んでいた。
男は汽車に乗って故郷の近くまで来るが、勇気がなくて、車中で知り合った男に木を見てもらう。木の幹にはたくさんのリボンが結ばれていた。
ジャーナリストで小説家のピート・ハミルは、この曲の歌詞は、上記の伝承を元に自分が1971年に執筆したコラム「Going Home」に基づいたものだとして提訴した。
ハミルのコラムは、出所して妻の元へ帰る男がバスの中からオークの木に結ばれた黄色いハンカチを見るというもので、1972年にはテレビドラマになっている。
被告側の調査で、ハミル以前にもこの伝承をまとめた文献があることが示され、訴訟は取り下げられた。云々…
この曲をもとにして、健さんの映画が作られた…
映画制作のきっかけは、倍賞千恵子さんから、ドーン(米国のポップスグループ)のヒット曲「幸せの黄色いリボン」の歌詞の内容を聞かれたことだそうです。
刑期を終えた男が、故郷の恋人に出した手紙について歌ったものです。
山田洋次監督(90)とヒロインを演じた倍賞千恵子さん(80)に名作にまつわる秘話を聞きました。
「彼女にその話を聞いたとき、僕の頭の中にすーっと絵が浮かんだんです。
一面の麦畑のはるか彼方(かなた)に1本の樹(き)があって、その樹には黄色い花がいっぱい咲いている。リボンの。このようにクライマックスシーンの映像が形になって浮かぶとき、映画はうまくいく場合が多いです。」
山田洋次said
阿部寛主演で『幸福の黄色いハンカチ』ドラマ化~山田洋次自ら監修・脚本
高倉健主演で公開された不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』が、現代版として俳優・阿部寛主演のスペシャルドラマとして、日本テレビ系で放送される。
数々のドラマ、映画主演を経験した阿部だが、今回ばかりは「最初は戸惑いを感じました」と、オリジナルの偉大さに気後れした様子。
だが「支え合っていくこの作品の温かさを、人々に伝えられれば」と意気込む。
さらに映画でメガホンをとった日本映画界の巨匠・山田洋次監督自ら、監修・脚本を担当。作品の背景を2011年に置き換え、阿部版“黄色いハンカチ”を送り出す。
菅原文太主演「幸福の黄色いハンカチ」
北海道の大自然を舞台に、ふとしたきっかけで知り合った中年男と若者との心暖まる交流を描いた人間賛歌。
出演 菅原文太、泉ピン子
アパッチ・けん(現・中本賢)、光石研、田中好子、三船敏郎 ほか
北海道を舞台にした選りすぐりの名作ドラマ。注目の「幸福の黄色いハンカチ」は、昭和52年、山田洋次の脚本・監督によって松竹が製作、第一回日本アカデミー賞をはじめ数多くの賞を受賞した「名画」のテレビ・ドラマ化。
企画から1年半…山田洋次監督の協力の下、山田氏の愛弟子の一人・栗山富夫監督を松竹から迎え、キャストも主演に菅原文太、妻役に泉ピン子を迎え、また三船敏郎が映画にない存在感のある役柄を演じている。
1982年にTBSで放送された菅原文太主演によるTVシリーズ版(全5話)。
山田洋次監督の高倉健主演による同名映画を三船プロダクションがドラマ映像化した。
山田洋次監督も設定や脚本の監修など、全面的に協力した作品。
最後に質問もさることながら山田洋次監督の回答は重い。
笠井信輔 said
フリーアナウンサー
『妻は、出所してきた夫を黄色いハンカチで出迎えるのか?
それがすべて。
しかし、公開時ポスターを見て欲しい。
倍賞さんの上で黄色いハンカチがはためいているではないか❗️
しかも、健さんまで一緒!
これは映画史上最大の“ネタバレ”ポスター。
私は山田洋次監督に聞きました。
「なぜこんな宣伝を許したのですか?」
監督はゆっくりと答えました。
「私は結末がわかってるからといって、泣けない映画は撮りません」
これ、選ぶしかないですよね。』
パッチワークした内容で恐縮です。不思議な映画です。
アメリカ人も日本人もこの単純なストーリーに感動をする。
ハーピーエンドになると最初からわかっている内容でもつい見てしまう。
阿部寛主演では役が変わった武田鉄矢、倍賞千恵子なども出演しています。何やら愉快です。
時代の流れも感じます。
当時の黄色のイメージは幼稚園児の登下校時の帽子や傘の色が代名詞でした。
しかしこの映画以降は、まるで黄色のハンカチにリボンに幸せになる印があるように…
亡き健さんのオーラを感じるのです。
高倉健自身が書いたエッセイがあります。遠い昔、読みました。(あなた→母親)
「あなたに褒められたくて」
(集英社文庫) 高倉 健
本の概要
いつも危険な撮影を心配してくれた母、ロケで5カ月も過ごした酷寒の大地…。
男が生きてきた、忘れることのできない時間と場所、忘れ得ぬ人びと。そんな心にかかる男の想いを語ったエッセイ。
私ごと:遠い昔…お正月。赤坂東急プラザホテルのレストランでお一人スパゲッティナポリタンを食べる高倉健と出会いました。
想像していたより小柄でした。
寂しそうでもなく、楽しそうでもなく周囲の景色に溶け込んで淡々と…
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