「普段使いした名作椅子」気恥ずかしくも…
水無月です。下半期になりました。
「LIVING design」2004/11
じぶん椅子が欲しい!
宮脇彩 miyawaki sai 氏宅が表紙。
1968年生まれ。建築家・宮脇檀の長女。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業。約2年半のパリ暮らしを終え、エッセイスト。著書に「父の椅子男の椅子」など。
宮脇綾子(アップリケ作家)は彩さんの祖母。
ぱたぱたとお話が飛躍します。古い雑誌(2004)が出て来ました。いつかまとめてnoteしたいと思う話。
1980年代の終わり頃です。一年間の北欧デザイン研究の機を得た。
人生の夏休みだったと有り難く思っています。
それと…今は家族の共有財産だと懐かしく思い出します。
北欧とひとくくりにしてデザイン雑誌にはよくでてきますが、ノルウェー・フィンランド・スウェーデン・デンマークとそれぞれ個性の違う国々です。
東北とくくってもその県により食文化も県民性も異なります。(信越・東北の二県に暮らして感じた)
若い時は恐さも知らず、人生はエンドレスと思い込んで、いわゆる「名作椅子」を旅をする度、国々で買って日本に船便で送りました。
その椅子たちは、子育て(ミルクをひっくり返したり…)を経て、転地を繰り返して現在もいますが16脚ともそれぞれ…です。
生地のまま納めてもらった松本民芸家具(クローゼット)やデンマークのチェスト・横浜ダニエルのチェストは、経年美化と密かに思う。
椅子はやはり心身一体の使用目的が特殊な家具です。
椅子の寿命(内容によると)もはっきりしているらしい。記事によると、Yチェアで10〜15年…だそうです。
家の(pp68)は一度、座面のコードを張り替えソープフィニッシュで仕上げました。
知人宅の柳宗理のバタフライチェアは、まさにバタバタと飛んでいました。これが愉快で、家家の個性だ!と思ったのです。
姿が変化するのも…人生ってこんなもの。と眺めています。
子の思い入れのある椅子(ショウルームで値段を見て仰天!)はメンテナンスを自分で依頼するから…と家から出ていきました。
しかしながら、そのまま眺めて、遊んだ日々を思い出している…ようです。
さほど広くないスペースに家人の作品(スツール)や私の機も同居しています。
素材(布・藤)により傷み方も(空気の乾燥具合・頻度等)それぞれです。
さながらクラシックカーのように、名作椅子〇〇年と年数を競う展示会があっても面白いのでは?
宮脇彩さんもお父さまを懐かしむように「傷み」を含めて使っていらっしゃるようです。
「リビングデザイン」は発行されて27年も経っていました。自分育て・子育て・更に元に戻って自分育て。
不器用で、一つだけしか出来なかった人生の感があります。
椅子もそれぞれの個性があり、世間の評価とは違う自分だけの心地良さがあるのがわかりました。
多くの椅子に出会って長く長く使って「じぶん椅子」に出会えるのかもしれません。
名作椅子で育った子には子の別の評価があるのも加えていたいと思います。
薄くスライスした板にスリットが入っています。想像以上のカーブに座った人がアッと驚く椅子。
ソロリと背もたれに…その方の体重に合わせてスリット部分の板が沈みます。折れたりしないでウンジュネン。
最初と大した変化のない椅子(べアント・ピーターセン)
名作椅子の真は深い。深かった。
いつかまたの機会に…続く
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