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山に入ってみる②

さて、午後です。また、作業道まで下りるのですが、帰ってくるときは上りになり、午前の終わりと同じようなシンドイ目にはあいたくないので、帰りのことも考慮して、草の生えていない降りやすそうなところを探してジグザクに道を作るように足場を踏み固めながら作業道まで下りていきました。
作業道までは見通しもよく難なく降りられたのですが、南側敷地を目指すには作業道からさらに下りていかなければなりません。やはり同じ要領で、足場を固めながら沢まで下りていきました。途中ところどころ岩があったりで道選びに苦慮しましたが、何とか沢まで下りられました。
しばらく沢沿いを進んで、2つの沢が合流する地点まで来ました。合流したもう一つの沢の上流を見ると倒木が多数あり、さらに岩も倒木も一面苔むしており、非常に神秘的な光景です。
何かわからないですが、少し怖さを感じ、それまでの暑さが一瞬吹き飛びました。もちろん沢の水が冷たく天然のクーラーになっているということもあるのですが、それだけはないような気がしました。

写真だとあまりわかりませんが、倒木も岩も山の地肌も苔むしています。

そこから南側敷地となる地点までスマホアプリのGPSを頼りに沢を下りました。そのあたりは少し沢も広くなっていて、水深はそれほどないのですが、沢というよりちょっとした川という感じになってきています。

沢の下流方面。右(北)がうちの北側敷地、左(南)が南側敷地東隣の敷地。右は荒れているが左はきれい。沢付近は勾配が緩いが上に行くにしたがって勾配が急になる。

南側敷地の東側のお隣の敷地は少し整備されているのか、倒木もなく草も生えていないので、多少安心して歩けました。ただ、途中から急斜面になり、やはり木から木へ滑落に最新の注意を払い、危ないところは持参のスコップで足場を作りながら前進し、何とか尾根までたどり着きました。
やはりジグザクに進んでいるので、尾根に着いたところの西側がちょうどうちの南側敷地の東端でした。が、西側は全く手入れがされていない感じでとても歩けそうな感じはありませんでした。尾根から南側もうちの敷地になるのですが、そこは航空写真で見た感じどおり植林はされていないようで雑木林のようになっていました。

尾根から南西方向。雑木林になっている。

尾根で少し休憩しました。やはりヒルが怖くってたったままでしたが。
ここはまだ南側敷地の北端に近いところなので、ここから南側敷地に踏み入れるかどうかですが、これまで歩いてきた植林ではなく雑木林で見るからに今までのように進める気配が全くしないので、すぐにその先は諦めました。
と同時に少しおなかが痛くなってきました。先ほどの沢の光景や、こちら側の山は林道からも離れているので人が入ったのはどのくらいぶりなのかわかりませんが、なんとなく素人が入ってきてはいけないぞと山が言っているような気がして怖くなってきたのだと思います。
それで、登ってきた道を今度は沢に向かって下っていきます。登りも急斜面でしんどかったのですが、下りは下に向かうだけあって滑るんじゃないかという恐怖もあり、すごく慎重にゆっくり下りました。
何とか沢まで下りてきて、今度は北側敷地を登っていく形になるのですが、沢の対岸に人が歩く道のようなものが見えました。道があるとないとでは、歩きやすさも疲れ具合も全く違うので、ひょっとしたら林道までつながっているのかもしれないと期待をしてその道を登っていくことにしました。
これはすごくいいぞと思い登っていったのですが、だんだん回りに笹が生えているなと思って進んでいると、途中で道が終わっていました。単に笹が茂りすぎて道が見えないだけだったのかもしれませんが、いずれにせよそこから先へは進めません。
また沢まで下りて、午後下ってきた道に戻るか思案したのですが、やはりこの時点でかなり疲れも出ていたのと、午後作業道から沢まで下りたところも道になっているわけでなく急斜面で歩きやすいわけではないので、それなら午前の最後と同様やはり笹を刈りながらまっすぐ上を目指した方が良いと判断し、笹刈りをしながら少しずつ登っていきました。
その先も、結局は午前の最後と同じで途中からは鎌を振る右手が疲れで力が入らなくなり、笹をかき分け笹をつかんで四つん這いで何とか作業道まで戻ってこれました。
これでひとまず安心なのですが、やはりヒルが怖くって座っては休めません。立ったまま休憩しつつ少し歩きつつ作業道を進んで、午後林道から作業道に下りた地点まできて、そこから林道へ登りました。道があるわけではないのですが、ここは先も見えるし、なんとなく少し傾斜も緩く感じられ、林道にたどり着くことができました。しばらく座って休憩。とりあえず無事帰ってきたぞという安堵感がすごかったです。確か14時ごろだったと思います。午後も2時間歩いただけですが、これまた非常に疲れました。
ただ、ここは北側敷地の西端で、車を止めた東端まで林道を1キロほど歩く必要があります。かなりの疲れでしたが、林道を歩くのは全く疲れません。道があるというのはなんとありがたいことなんだと実感しました。
当初の目標である南端の鉄塔まではとてもたどり着けませんでしたが、初日の山入りは何とか無事に終わりました。山を歩くのは想像以上にしんどいことだというのが分かった点で大きな収穫だったと思います。
帰りは、少し回り道になるのですが、車で1時間ほどのところに公共の温泉があるので、そこに立ち寄りました。山でたくさん汗をかき、疲れていたせいもあるかもしれませんが、そこのお湯がこれまたすごくとろんとした変わったいいお湯で非常に幸せな気分で、疲れを癒やすことができました。

2023年7月

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