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ヒノキの伐採

今回は、家族からヒノキの香りを楽しみたいというリクエストがあったので、ヒノキの伐採を行いました。これまで伐採したのはスギばかりで、ヒノキの伐採は初めての経験です。
天候があまり芳しくなかったので、いつもの林道近くの場所でヒノキを探したところ、以前巻き枯らしを行っていた木があったのでその木を伐採することにしました。
表紙の写真に使っていますが、上の方が傾いている木です。ちょうど傾いている方向に空間があったので、掛かり木の心配は少ないだろうという見立てです。
まずは、木の周囲に落ちている枯れ枝などを取り払い、避難場所を2か所程ととそこへの道を簡単に整備しました。そして、受け口作りに入りました。対象の木は昨年11月に巻き枯らしを行っているので半年くらいたっていますが、一向に枯れる気配がなく、前日まで雨だったこともあるのか、なかなかチェーンソーが進みません。何度か伐倒方向を確認し、なんとか受け口を作りました。その後追い口を作っている途中で少しずつ傾き始めたので、慎重を期して途中何度か避難を繰り返しながら追い口を伐り進み、ようやく倒れ始めました。45度くらいまで傾いたのですが、結局今回もまたかかり木になってしまいました。

またかかり木になってしまった

掛かっている部分とツルの状態を見ながらどうしたら倒れるのか熟慮の時間です。今回は、家族のリクエストもあるので、何とか倒したい。とはいえ、無理や危険なことはできないので、最悪、受け口部分だけでも持って帰ればよいかと、心を落ち着けて考えました。
ツルの力が強すぎるのかと思い、掛かっているほうのツルを斧で削りましたが、ダメでした。次にロープの登場です。片方を別の木に括り付け、倒す方向に力がかかるよう三角形を作り、力をかけてロープを引き、揺さぶってみましたが、これもダメ。以前の経験であまり夢中になりすぎると手の皮がむけたり、まめができたりするので、多少はセーブしながらでしたが。
それで、またしばし考え、次に思いついたのは、掛かっている相手の木と反対側から引っ張ってみるという方法です。掛かっているといっても相手の木の枝が邪魔しているだけなので、相手の木と反対側、つまり枝の先端の方に掛かり木を寄せれば、相手の枝が支えきれなくなって倒れるのではないか、という考えです。ただ、これをやるのもロープをなるべく上の方にかけない強い力が働きません。とはいえ、かなり上部まで枝はないし、どうしたものかと思っていたところ、以前本で読んた、ロープを上の方にかける方法を思い出しました。
今回はロープは三角形ではなく、ぐるっと回して両手で両方を持っていましたので、ロープを持っている両手を下から上に動かし、ロープに波を作ります。
そうすると木に回してあるところでロープが緩み、波の形で少しですが、上に上がります。最初はなかなかうまくいかなかったのですが、両手を上にあげた後、手前に引っ張るタイミングを少し遅らせると、上に上がる量が増えました。
考えてみれば当たり前ですし、この方が力も要らずゆっくりした動作でできるのですが、最初は緩んだ瞬間に下に落ちてしまうのではないかと思い、すぐに引っ張ってしまっていたのです。頭で理解するのと実際にやってみて経験するのでは、やはり全然違いますね。本の知識も実践してみて初めて理解できるのだと思いました。
少しずつロープが上に上がったので、何度か両手で引っ張って揺さぶったところ、想定通り掛かっている部分がはずれ、そのまま倒れてくれました。途中どこにあったのかわかりませんが、他の枯れ木をぶっ飛ばしながら倒れました。今までの中で一番豪快な倒れ方でしたが、自分はすでに安全な場所にいるので、安心して眺めることができ、気持ちよかったです。

上の方の枝に引っ掛かっている
倒れた後。作業道を跨ぐ形に倒れた。
切り口。手前は掛かり木になった時に斧でツルを削った後。
上部にできた空間。間伐効果あり?
作業道を跨ぐ形で倒れた。上から落ちてくる危険性はあるが、
玉切りするにはちょうど良い場所。

写真の通り、うまく作業道を跨ぐ形で倒れたので、玉切りする場所としてはちょうどよかったです。ただ、玉切りした後に上部の木が落ちてくる危険性があったので、作業は慎重に行いました。ちょうど前回県道の倒木処理を見ていたので、玉切りするにあたりそれも参考なりました。

玉切りの後。

さて、玉切りしたあとですが、これをまた林道までもって上がらなくてはなりません。かなりの重労働です。あまり小さくすると何度も往復しないといけないので、90cmで切ったのですが、まだ十分生きている木だったからなのか、前日まで雨であることと時期的な問題なのか、スギとヒノキの違いなのか、今まで伐った木の中で最も重かったです。90cmの丸太はとてもじゃないけど、持って林道まで上がれる重さではありませんでした。なので、今度は30cmに玉切りしました。薪を作るサイズです。30cmでも十分重かったのですが、30cmを4つと、あと家族のリクエストに答えるため5㎝くらいのを2つ作って作業終了です。90cmのはあまりに重かったので、作業道においてあります。

左端が30cm。これでも十分重い。
余りに重くてもって上がるのをあきらめた90cm。
下に石を敷いて転がらないようにして、しばらく作業道で乾燥させます。

そのあとは、年末に伐っておいたスギの薪割をしました。こちらは乾燥が進んでいたので、簡単にできました。薪はなかなか売れないのですが、5月に自分で使ったので、その補充のための薪作りです。
ちなみに、薪は5月にバーベキューとたき火に利用しました。紙一枚だけで火付けすることができ、とてもいい具合にバーベキューとたき火が楽しめました。売り物にしている段ボール一箱で6~7人分のバーベキューと3時間ほどのたき火をしてちょうどなくなりました。火持ちは少し短いですが、十分楽しめる良い薪でした。

スギの薪
一番上の2つが今回伐ったヒノキ。今までより太いですね。

2024年6月

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