20200702の天塵

「シャニマスはnoteでお気持ち表明をするまでがワンセット」初めて天塵を読んだ。ふざけんな、と思った。


1.ノクチルはまだアイドルじゃなかった

初めてシナリオを読んだ感想、「ロックバンドじゃん」だった。多分Vo.浅倉、GtVo.雛菜、Ba.小糸、Dr.樋口。知らんけど。

公開時は賛否両論だったらしい。2周年のタイミングで新規も増えており初めてシャニの世界に触れる人も多いであろう中で、こんなロックなシナリオぶつけられたらそりゃ賛否両論起きるだろう。

この「天塵」というシナリオは、10代の彼女達が今だからこそ最大限に発揮している「輝き」についての物語で、それならやっぱりこれは「アイドルマスター」だ。と自分は思った。

「天塵」はノクチル4人のデビュー直後の話で、彼女たちはまだ普通の(顔が良すぎる)仲良し女子高生グループで、そんな彼女たちがアイドルとしてのスタート地点に立つための物語だ。

(W.I.N.Gシナリオをやるとそれぞれにアイドルとしての自覚が芽生えてきているのが分かるので、そちらもお勧め)


2.福丸小糸のサクセスストーリーではなかった

シナリオを読み進めていた時、周りに置いて行かれないよう必死に努力している小糸の姿に普通に胸を打たれた。レッスンで一人だけ息が上がっていて指摘されるシーンは、文章だと差がないように見えるのに声優さんの演技でそれが表現されておりスマホを壁に投げつけた。

心のどこかで(ついていけなくなった小糸が一度挫折して、幼馴染4人の友情でそれを乗り越える的な感じかな)とか勝手に予想立てて勝手に納得してた。甘かった。

詳しくは書かないが、結果として福丸小糸は失敗しなかった。誰よりも努力し、誰よりも真摯に仕事に向き合い、誰よりも誠実にパフォーマンスをこなして見せた。彼女のそれまでの努力は1mmも無駄ではなかった。それを3人ともちゃんと分かっていた。分かっていないのは俺だけだった。


3.4人が出した答えは目的地を見つけることではなかった

何かをするためには目標が必要で、どこかにたどり着くためには目的地が必要だ。でも彼女達はまだ走り出したばかりで、将来のことを考えるには少しだけ時間があって、彼女達の世界にはまだ彼女達しかいない。目的地が無くても、ただなんとなくでも車は走る(タイヤが4つあれば)し、走っていればどこかに辿り着く。辿り着く先は絶対海に決まっている。

そんな彼女達の今しか見られない輝き(ノクチルカ)をもっと見てみたいと思うし、どこかに辿り着いたその先で輝き方が変わるとしたら、それが「アイドルとしての煌めき」なのかも知れない。感謝祭シナリオが今から怖い。


4.シャニPは大人であり大人でなかった

「天塵」を読んだ時に嬉しかったこと。シャニPという「大人」がノクチル4人の持っている輝きを正しく認識していたこと。シャニPは幼馴染4人それぞれにアイドルの素質があるからプロデュースしていたのではなく、「4人が4人らしくいる時に、輝きを放っていたから」彼女たちに可能性を感じたのだ。大人になるほど見えなくなるきれいであわい光。それがまだかろうじて見えて、それを羨ましく思っているシャニPという男がどうしようもなく好きになった。もっとちゃんと休みを取ってくれ。


限定あさひの「空と青とアイツ」に、シャニPがあさひが見ている世界に近づこうとして色々試行錯誤する話があるのだが、自分はそれがたまらなく好きだ。そして結局彼はバットと一緒に置いていかれた。


5.〆

アイドルとして未完成なノクチル。4人が今放っている微かな瞬きが、今後どこかに向かって進んでいくうちにどう変わっていくかを見るのが本当に楽しみ。

また他アイドルとの越境シナリオとして、

「アイドルとしての完璧な偶像を作り上げて輝く迷光」ストレイライト

「自然体でいることで輝き揺れる夜の海の光」ノクチル

の対比がとてつもなく見たい。いつかお願いします。

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