見出し画像

マッチング廻戦~上玉・玉砕編2~如月,櫻子ちゃん編


「チンアナゴのガラスは、マジックミラーになっているんです。」


幻想的な雰囲気の中、櫻子ちゃんは笑みを浮かべながら呟いた。


「なんで?」


「チンアナゴはとても臆病なので。私たちが見えてしまうと、引っ込んじゃうので商売にならないそうですよ笑」

今でも櫻子ちゃんの何気ない一言を鮮明に覚えている。


0 プロローグ

あれは暑い夏の、昼下がりのことだった。

???「え、この子めちゃくちゃかわいくないですか?メッセージ付きいいね送っておきますね!」

そう、マッチングといえば、職場のリア充女子二人組だ。

そう、急にめんどくなった俺は、宣材写真に飽き足らず、いいねを押したり、メッセージつきいいねを押すのを、あの二人組に委託したのだ。

しかし、たくさん押させたのにも関わらず、数時間たっても、全くマッチングしなかった。


おかしい。


だってさ、俺は公務員だぞ!星野源だぞ!

一応、やつらが押したいいねした女子を確認してみた。

こ・・こいつら、


見る目が肥えているのか、めちゃくちゃかわいい子しかいいねしてねぇwww


50個くらい溜まっていたいいねが、一瞬のうちに泡となった。

これはボツかなwwwと思いつつ、再びアプリを開くと、


「・・・めっちゃかわいい子とマッチングしている。」


マッチング廻戦~上玉・玉砕編2~櫻子ちゃん編 始動



1 桜子ちゃんプロフィール


 26歳の看護師で、大原櫻子に似ている。そう、今まで会った中で、多分トップかもしれない。ハンター×ハンターが大好きというか、富樫さんが大好きだった。2週間くらいやり取りを続け、なんとか池袋でのデートにこぎつけた。

ここまで来るのに、ほんとに長かった。

 余談だが、最初のメッセージで、「僕もハンター×ハンター好きです!」ってやつらが書いたせいか、めっちゃハンタートークになったので、そのたびにググったり、快活クラブに毎日のように通い、予習復習を繰り返した。
受験勉強くらいハンター×ハンターの勉強をした。中田敦彦の考察編も4時間きっちり見た。

受験勉強


なぜ、ここまでやるかって?
なんか気づいたら、櫻子ちゃんのいいね数が、1000越えでカンストしていたからだ。つまり、999人のライバルがいるので、差異化を図らなければならないからだ。

恐ろしくいいねの多い女の子、俺のメッセージじゃなきゃ、見逃しちゃうね。



2来たる決戦日

 待ち合わせ10分前に着く。その2分後に私もつきましたと連絡。

早いね。
お互いに服の特徴を伝え合う。
向こうが医療職なので、一応マスクをつけていった。
現れた桜子ちゃんは、マスクをつけてた。よかった...。そして、写真通りでなんかめちゃくちゃ感動した。


今回のお店は、トラットリアクアルト(イタリアン)である。
13:15~から予約したが、マジで予約してよかった(激込み)
そして、カウンター席だったので、コミュ障でも話しやすい。2000円のコースを注文していたが、ここで誤算が。

量半端ないって!!!

俺は嬉しいけどさ〜!+でご飯とスープとデザートとドリンクと。


 桜子ちゃんの話を聞けば聞くたびに、ああ可愛いなと思った。
・散歩大好きで、日本橋あたりを3時間歩いた話。(後々コナンの聖地ということが分かる。)

・実家は田舎で、田んぼの中で遊んでいた話。

・バズレシピの虚無そうめんを作った話。
・嫌いなものは、食感がダメなキノコとカキ。理由は、黒い部分が目でかわいそうだから。


そして、仕事の話になった。看護師は力仕事が多いから、「強化系」らしい。
俺は、ずれてる公務員だから「特質系」といった。

受験勉強より



「ひろゆきにはまって、クソ客を論破したら大騒動になったんだよね、、、!」
「俺は出る杭で何度も打たれた。でもずっと打たれていたら、それは個性になった。」

名言通り越して迷言である。

そして俺は偽源である。


会話の途中で、不意に、桜子ちゃんからの、マッチング判定テストが始まった。

桜子ちゃん「実は私のそれ、

癖なんだよね。」

ニヤリと目くばせをする桜子ちゃん。

!?!?!?

これ、進○ゼミで習ったやつだ!

俺「いや、キルアの名言かい!」

「あ、はい...。笑」

桜子ちゃん満足そうに、恥ずかしそうにはにかむ。

ええええええ!かわいいいいいい!!!
って感じになってしまった。


誰かのブログで確か誰かが言っていた。

「恋愛は、一途になった方が負け。」


そう、実はこの高揚感は、2.3回目のガッキーや、花ちゃんで感じていた感覚だ。

しかも今回は、話が合うというか、共感覚的なものも加わっていた。

そう、俺は

1回目で桜子ちゃんを好きになってしまったのだ。

目に見えるものが真実とは限らない。
何が本当で何が嘘か。
2回目のデートは本当に実現するのか?
桜子ちゃんの「私、すごくコミュ障なのに、初対面でこんなに話せたらの初めてです!」は、ビジネストークではないのか。
桜子ちゃんの笑顔は、心からの笑顔なのか。

真実はいけふくろうだけが知っている。

アラサー独身公務員フォレストナイトの世界へようこそ。

後半に続く。


追記

源「中尾も、ハンターハンター好きだから、ついラインで、ハンターの名言送ってるんだよね!」

桜子ちゃん「中尾って誰?」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?