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日の出マイスター10年目のアラサーが贈る「エモい関東日の出スポット」

中学からの仲で、毎年1月2日に日の出を見るために集まる仲間がいる。
なぜ、1月2日なのか。元旦は家族で過ごすハートフルな仲間だからだ。

1年目(確かハタチ)は、朝4時に集合し、大学生ノリで葛西臨海公園にチャリで行こう!ということになった。ライングループ名はもちろん、「チャリ同行会」だ。中尾が遅刻したり、中尾が自販機で買ったいろはすが凍っていたり、中尾のチャリがパンクしたりして、日の出の瞬間に、間に合わなかったのもいい思い出だ。

2年目からは、俺と鎌田が免許を取ったので、車で行こうと全員一致で決まった。「チャリ同好会」とは?

「あの花の名前をまだ僕は知らない」がはやっていたので、アニメの聖地、埼玉県秩父市の「三峯神社」で日の出を見た。もちろん、OPのパロディは作った。全俺が泣いた最高傑作のアニメだと思う。

もちろん、あの花ファンでわかんねぇやついねぇよなぁ?



3年目からは、千葉の犬吠﨑、神奈川の三浦半島、真鶴半島、茨城の大洗海岸と海×日の出スポットを周った。

大洗海岸の日の出はしびれた。
日の出×海でも優勝なのに、なんと日の出×海×神社で大優勝なのだ。

鳥居に弾ける水飛沫がエモい。

8年目くらいで危機は訪れる。鎌田がメンヘ、いや素敵な彼女ができたのだ。その愛が重、いや深すぎて、なかなか会えなくなっていたのだ。
川×日の出スポットと、惰性で埼玉の加須(すいません俺たち日の出マイスターなので・・・)のしょぼい日の出を見て思った。

そろそろネタ切れじゃね?


そして、10年目。アラサーは節目の年でもある。鎌田の彼女の愛も深くなり、いよいよ自然消滅の危機である。そこで、今回は10年目ということで、日本の象徴「富士山」×日の出に決まった。

1 癖の強い旅のメンバー

今回の旅の仲間は、前作でもおなじみの中尾、そして鎌田、むっちゃんだ。

鎌田


同じテニス部に入っていた。見た目は真面目なので生活委員に毎年推薦される。しかし本性は、いたずら坊主である。要するに俺と気が合う。俺も学級委員をやっていたので、汚職政治の始まりである。

中3では、「オレ、再登校するわ」と俺に耳打ちし、家に忘れた国語の教科書を取りに帰るために、昼休みに学校を抜け出した猛者だ。ちなみに、戻ってきた瞬間、国語の教師に首根っこをつかまれて、職員室に連行された。
なぜばれたかというと、堂々とした犯行だったので、クラスメイトの男子ほとんどが笑いながら担任に密告したからだ。
オレは、国語の教科書の必要性に疑問を持ち、ハイリスクローリターンの原理をこのとき学んだ。

むっちゃん


高身長を生かしてバスケ部に入っていて、今でも続けているスポーツ男子である。温和な性格だが、ママチャリで関東だかを一周したりと、頭のおかしい人間である。オレ、中尾、鎌田がかなり癖が強いため、このグループではまともに見える。

2 旅のスタート


朝4時半地元集合。

中尾安定の5分遅刻。俺も遅刻したが、中尾の方が30秒遅かったので「社会人として、遅刻はだめだろ」と怒った。

鎌田「先に運転してやるよ!」

やさしいな!

「だって、帰りはお前に任せるから。帰り眠いじゃん。だから運転したくない。」

そうだ、こいつはソシオパスだった。

3 6時!河口湖到着

朝焼け×富士山も美しい。


すでに、人が集まっていた。俺らは、静かに見たかったので、誰もいない場所を目指して歩いた。そう、俺らはファーストペンギンだ。

ススキ輝く場所を確保。美しい風景だ。

朝焼けに佇むススキの影は、まるで版画の世界のよう。

長いススキを見てオレは、察したようにニヤリと笑った。
鎌田もニヤリと笑った。
「中尾を攻撃しよう。」
こっそり、できるだけ長いススキを拾った。

中尾だ。

見聞色の覇気を持っていたのか、落ちてたススキで対抗されたが、短いので全然届かなかった。


そして、寒いので、ちゃんばらごっこをした。

寒いのだ。

とてもアラサーとは思えない所業だ。

Yちゃんがいたら、
「てめぇ早朝からうるせぇんだよ!!湖で頭を冷やせ豚野郎!」とブちぎれられていただろう。

湖で頭を冷やしたら、そのまま出てこられないのは言うまでもない。

3 日の出推定時刻6:53 運命の瞬間!

恥ずかしいのか出てきてくれなかった。焦らすな


4 30分後(7:23くらい)

ん・・・?

出てこねぇwwwwwww

場所を変えよう。
決断は早い方がいい。

俺らが動き出すとともに、有象無象の群衆も動き出した。
やったぜ、俺らがファーストペンギンだ。

5 感動の日の出とご対面!(7:30)


10年間で、一番の景色かもしれない。

てっきり、富士山の横から出てくるもんだと思ったから拍子抜けしたが、富士山と日の出の対比が美しかった。澄んだ空気の仲、放射状に飛び込んでくる光の粒子。そして、堂々と佇む富士山。なんて美しいのだろう。来年は加須の日の出を見てもおつりがくるだろう。

6 まとめ

大人になるにつれて、関係性は薄くなり、会わなくなるグループがちらほらあった。もちろん、コロナも大きな要因の一つだ。
毎年旅行に行っていた、同じ職種の男女5人組グループは、俺以外の4人が結婚し疎遠になったし、大学のサークルメンバーとはここ2・3年会っていない。
ゼミのメンバーも、俺以外が全員結婚したから、多分疎遠になりそうでぴえんだろう。

どこかの、哲学者がこう言っていた。

人が会わなくなるのは、
片方が、成長した、もしくは、ライフステージが変わったときである。


アラサーはそんな節目の年かもしれない。少し寂しくなったが、そういうもんだとも思った。

しかし、大ヒットアニメ「物語シリーズ」(終物語)で、神原駿河はこう言っている。

人と人とは、合わないことはあっても、会わないことはない。


コロナやライフステージの変化もあり、会わない人が増えていったが、必ずまたどこかで出会えると思う。そして、会えない人が増えていく中で、交流を続けている人がいて、心からよかったと思った。
年を取るけど、その分、人と人の「つながり」を、大事にしていきたいと思いました。

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