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アウトプットを出すため100日間絵日記を投稿した話


Twitterをみると、毎日多くの人がソフトウェアやモノづくりの成果を投稿されています。なにかモノをつくる人=メイカーになりたいと思いながらゴロゴロし続ける日々。このままではヤバいかもと思い、「100日後に出展するメイカー」と題して100日間、毎日今日の成果をマンガにしてTwitterに投稿することを始めました。
そして2020年10月3日、4日。ゴールであるMaker Faire Tokyoへの出展ができたため、はじまりと成果のふりかえりを記録したいと思います。

100日メイカーの思いつき

題名から分かるように、この取り組みはきくちゆうき先生の「100日後に死ぬワニ」を元にしています。

100日ワニ終了後、多くの「100日後に○○する××」が生まれました。
Twitterで「100日後に」と検索すると、ダイエットやヲタ活、聖杯戦争など色々存在します。

ちなみにこの100日モノに対して、きくちゆうき先生は後日インタビューで

やってるなぁ~と思ってみてました(笑)

と答えていました。
マネしておいてあれですが、ちょっとホッとします。

数多くの100日モノが存在するわけですが、私は畑健二郎先生の「100日後に結婚する二人」や㍿悪の秘密結社の「100日後に爆発する怪人」を楽しんでいました。

この「100日後に爆発する怪人」の最終話である100日目が、同社が製作した特撮ドラマ「ドゲンジャーズ」の最終話と同日になるのですが、最終話がリアルと連動するというのが本チャレンジを思い付く一番のキーポイントだったと思います。
両作がそろそろ最終話を迎えるころ、今年のMaker Faireは3ヶ月後かぁとふと思った時に、ピンときました。

「100日ワニスタイルでモノづくりの様子をあげたら、面白いんじゃない!?」

どこに面白さを感じたのか。
さて、世の中には趣味でものづくりをしている人たちが数多くいます。プログラミングや電子工作、3Dプリンターなどを使った造形などですね。
Twitterを見ると、ほぼ毎日微細な紙工作を進める様子が流れてきたりします。

私は一応工学をかじり、その道で生きていくことを選びはしましたが、消費型ヲタクとして日々無限の供給を受け続けることで、幸せを感じるタイプです。
しかし将来を考えると、何も生み出していない日々に一抹の不安を感じたりします。
なんとなく作りたいなぁと思いながら、結局何もせず終える日々。
これを打開する、やりたいことを習慣化させるシステムとして、100日モノが良いと感じました。

100日メイカーが良さそうと感じた点

・Twitterドリブン
・作品に対して、漫画は付加価値となる
・ネタ作り ⇔ ものづくり のサイクル
・イラストの練習

Twitterドリブン
どこかの勉強会で、Twitterに毎週成果を投稿する「Twitter駆動」なる手法を知りました。
ようは細かい締切を己に課して、締切駆動していくというわけですね。
自分しか知らない枷で、上手くいくもんかね?と思いましたが、これをマネしてラジオ体操をやったことをTwitterに記録しはじめた結果、100日メイカー開始前までで200日ほど続けられていた成果がありました。
ラバー・ダッグデバッグではないですが、私のツイートを毎日一つも欠かさず見てくれるアヒルフォロワーさんが存在し、その人に見せるため。出さなかったら恥ずかしい。という気持ちでラジオ体操をやっていました。
また、今日やったっけ?という忘れがなくなり、数字が積みあがっていく感覚も好きです。
そんな感じで「Twitterに投稿する」は私にとって毎日実行させることに適していると感じました。

作品に対して、漫画は付加価値となる
せっかく作ったものならば、多少は人に見てもらいたいと思う。
しかし私にはすごい技術力があるわけでもなく、根気よく作り込むこともできない…。ではどこで価値を盛ろうかと考えたとき、エンジニア経験のある漫画家 見ル野栄司先生の作品紹介で、

「装飾系のものを作る場合、キャラクターやストーリーがあるとグッと商品価値が上がるかと。」

と言っていたことを思い出した。
また、カエルDX先生をはじめTwitterに流れてくるレポ漫画の類が好きで、真似して作品を作るまでのドタバタを表現すれば、他メイカーさんの共感も得られそうで良いのでは?と考えました。

ネタ作り ⇔ ものづくり のサイクル
毎日マンガを描くと決めた場合、毎日ネタを作らなければならない。
今回はレポ漫画形式にすると決めたので、自身が動かなければ何も生まれない。
ならば毎日手を動かさなければならない。という永久機関が生まれると考えたわけです。

サイクル

イラストの練習
絵を描けるようにもなりたいと思いつつ、こちらも特に動いていなかったテーマです。
毎日描くことはスキルアップにも繋がるとはよく聞く話なので、この点でも良いかと思いました。

これだけのメリットは感じるが、100日ワニは終了し、さらに2巡目の作品群も終わる中、始めるか!?という問題。ブームは完全に過ぎ去っていないか?というか恥ずかしい。
しかし今年を逃したら今後2度とやらない気がする…。
これこそ明和電機社訓の「やったもんがち。とったもんがち」や!とやけっぱちでやることを決定。

ルールだけ最初に決めて、スタート。
何作るかとかもこの時は考えていない。

100日メイカーのルール

・Maker Faire Tokyo 初日を100日目とする
(出展応募中でしたが、まぁ落ちてもネタになるし、100日目にTwitterに何か作品投稿すれば良いか~という考え)
・マンガは1~4コマ /日とする
(100日ワニ構文 + 楽するため)
・登場人物は自分を模す
(デザイン考えるの無理 + 模写できる)
・投稿は下記スタイル
(「100日後に結婚する二人」から。あわよくば他のメイカーさんにも使って欲しい…)
※公式が#今作ってます という素敵タグを作ったね。わけわからんやつよりそれ使うよね
※今Note書くために過去投稿を見直しているが、タグ付けておくと楽 

タイトル
日数
ハッシュタグ

コメント



それではスタート。

1日目~10日目

1日目の投稿はめちゃくちゃ緊張した。
イラストを描くこと自体が新しい取り組みなので、最初はものづくりも特に行わずに行く。
詰め込みすぎは良くない。
ゴール説明と告知を兼ねてMFTを表記。

当時リモート飲みが流行っており、ボドゲをサポートするアプリが欲しいと思いアプリ開発に手を出す。
初心者ブーストもあり、成果的ネタも出るだろうと期待していたが…。

1週間かけても何もできない

ソフトウェアわけわからなさすぎる。
何度かソフトに手を出したことがあるが、大体こんな感じだった。
マンガにもしたが、いつもは2,3日で投げ出すので、むしろ取り組みのおかげか長続きした方と言える。

しかし、これは100日かけてもなにも出来上がらないぞという企画に対する不安が出てきた。

11日目~20日目

アプリ開発も続けつつ、新しいことにも手を出し始める。

書籍は買うだけ買って積んでいくので「本を読む->ネタにする」で1冊読み切ったというのは大きな成果。
でも弄ろうと思ったLEDランプはバラしたままなんだよなぁ。

無事にMFTの出展が認められる。他の団体メンバーの作品がスゴイから。私は何もしていない。
決まったら記者会見で動かしたいなと思い、前日にgif化の準備を始める。
イラストのサイズが大きすぎて変換できず、すごいバタバタした。
この時はまだ会場開催かネット開催か決まっていなかったはず。

21日目~30日目

アプリ開発を完全に諦めた日

このころからツールをibisPaintからProcreateに変更する。
理由は金払って買ったからにはモトをとりたいから。
しかしレイヤーごとの線でしか塗りつぶせない、線が空いているとはみ出ることに永遠に文句を言い続ける日々が始まる。
コマの枠、別レイヤーにしてるのよ。

マイコンに手を出す。
micro:bitを使ったのは、micro:bitのコンテストがあるからというのが理由だが、買ったまま埃被ってるやつを引っ張り出してきたので、このあたりも取り組みの成果。

本取り組み中で、初の作品が出来上がる

作品作りが軌道に乗ると早くこの作品を完成させたいという時間の使い方と、たくさん手を動かしたから、たくさんネタがあり全部マンガにしたいという2つが同時にやってくることに気が付く。
致命的なミス。

31日目~40日目

マイコンどころか、段ボール工作を始める。
どんどん物理層に落ちてゆく~。
久々にCADを使った。

Twitterの流行りものに乗っかるということができた。
嬉しかった。

41日目~50日目

お盆突入。
帰省はせずに家で過ごすも、特に成果はない。
この時のチームミーティングで、合作の作成は今年は無しとなり、個人で頑張ろうという方針に決まった。

100日メイカーが日常になったというか、引きこもりのストレスも溜まったのか、かなりやる気が落ちていた時期。
一発書きどころか落書きでノルマクリアしたことにする。

51日目~60日目

寝落ちしてマンガ投稿を落とす。
割と頻繁に寝落ちしていると思っているので、取り組み中むしろよくここまで毎日続いたなと思っています。
基本的にその日の夜に、その日のマンガを描いています。
でも落としたのは1日だけ。

61日目~70日目

作業環境はメイカー系関連でしょと買ったキーボードをネタにしたら、公式にリツイートされた。
そこからいいねを付けて下さる人もおり、ネームバリューってやっぱすげーと驚嘆する。

100日メイカーフォーマットではなく作品のレポ部分だけマンガにして、作品動画のツリーにはってみた。
たぶんやりたかったのは、こういうモノかなと思っている。
感想に書くが、このレポ漫画も展示することに。

71日目~80日目

コンテンツ浪費生活が楽しく、雑に仕上げるか、新しい絵柄を試してみる時期。
メイカー的成果は何もない。

基本的に自分をモデルにしたため、黒髪・黒Tシャツ・黒ズボンという黒ずくめに。
線画を描いても塗ったら潰れる。モノクロ画像になる。という状況を変えられないかとか考える。

81日目~90日目

自己満足とはいえ、インプレッション伸ばしたいなぁと思いながら数日後。
バ美肉しました。

登場キャラクターを女性にしてみただけですね。
私がフォローしている漫画家さんは、自画像が女の子か動物なことが多い。
最初は内容に共感性があると思って始めたけれど、正直ここまで来たらニッチすぎるし絵日記率が高いことは自覚している。
せめて絵柄だけでもとっつきやすくすれば・・・!
畑先生も若木先生もTwitter漫画にはカワイイをぶつけろとおっしゃっていた!

畑:(中略) 常にヒロインのかわいさを見せなきゃいけなかった。とにかくヒロインを出して、タイムラインに流れてきた瞬間、反射で楽しめるような漫画が正解なんですよね。

特に激推ししている動物もいないし、どうせなら人間を描く練習にしたいということで女性を選択。

しかし特になにも変わらない

性別を変える前に、お話や画力をしっかりしなさいという話ですね。
しかし彩度が上がると、塗りがめちゃくちゃ楽しい。
一気に明るくなる。
ピンク髪になるの、こういう思いもあるのかな。

90日目~100日目

ラスト追い込み時期。
しかし出展しないものを作り出す。
まぁ前々からやりたいと決めていたものだし、これもメイカーでしょと続ける。

前日。
思いつきの動画撮影を始めたりして、結局夜遅くまで準備していた。
これは準備が終わった後に描いたのだが、100日で絵を描いて投稿するハードルが大分下がったなぁと思う。

来る最終日。
これは始めた時から、100日ワニの100日目に合わせて、ビッグサイトまでの遊歩道と、空に文字を入れようと決めていた。
しかしゆりかもめの方から降りたので、長い通路は諦めて接写で作成。
写真にしたのは当日の様子を残しておきたくて。メンドウダカラトカジャナイヨ。
小さくともちゃんとイラストも追記しているので、OKです。
展示準備を終えた後ブース内で作り、開始時間に投稿しました。

101日目

100日後に爆発する怪人を参考に書くことを決定。
Maker Faireの体験も描きたかったので1日追加。
会場にいるとめっちゃ作りたい気分になるのに、家に帰った瞬間何もしたくなくなるという実話を元にしています。
4コマ目は当日帰った後、片付けもせずに生配信を見ていた様子を絵にしたのですが、100日ワニの1日目に寄せたら面白かったなと後から思いました。

結果

実際に100日続けてみて、アウトプットに対する効果はあったのか?
これを確認したいと思います。

制作に数ヶ月かかるようなものは作っていないため、チャレンジ期間とその前の100日間の投稿作品数を数えてみたいと思います。
作品はTwitterに投稿した初出のオリジナル創作物をカウント。同一機構のものは見せ方を変えても1つとする。また講習等に沿って作ったものは除外する。
イラストはPixivに投稿したものをカウント。

チャレンジ期間:2020年6月26日~2020年10月3日

作品数:4
イラスト数:4

チャレンジ前期間:2020年3月18日~2020年6月25日

作品数:4
イラスト数:1

あっれぇ~~~~~???????
変わってない!?!?!?!?


結論:毎日マンガを描いても、アウトプットに影響はでない


ちなみにカウント内容は下記となりました。

チャレンジ期間
タップ装置
スマホシャッター
クスリッピーナノボトルマン
壁登り魔女の呪い

チャレンジ前期間
席順アプリ
ガンバッファロー
物理背景グリーンバック
ソレノビロ

前100日に意外と作っていてびっくりした…。
前年まで振り返ってみると、雨傘とうなずきペンギンくらいしかしていないので、100日メイカーをやろうと決心する程度の変化は、まずあったのかなと考える。

感想

作品数は上がりませんでしたが、イラストを描くハードルは下がったように感じます。
というか、自分がモチーフなのでへのへのもへじで描いてもめっちゃイケメンに描いてるじゃんコイツwとなり、2次創作と異なり描きたかったのはこんなんじゃねぇ!とならず精神衛生的にとても良いです。
むしろ綺麗に描きすぎると心がズキズキする…。
また最初は1コマ1時間かかっていたものが、1日分を1時間くらいで描けるようになりました。

「いいね」を貰うとすごくうれしい。
自己満足で始めたものですが、他人が本当に見ていると分かると嬉しいですね。
ほぼ毎回いいねを残してくれた方がいるのですが、その人のおかげで100日乗り切れたところがあります。
いままでは他人のTLに流れちゃうし…と思って押すのをためらっていたこともありましたが、チャレンジを始めてから簡単にいいねを押そうという気持ちになりました。

当日の展示の様子です。
2作品持ち込み、思い付きで1作分のレポ漫画を展示してみました。

画像2

このレポ漫画を足を止めて見て下さる方が何人かおり、すごくソワソワしました。
なければ数秒見て終わりだったところを、よく見てもらうことができ、また内容についてもお話することもできました。
これが見ル野先生が言っていた付加価値か!と体感しました。

またカウントダウン的逆日めくりカレンダーな様子と、溜まっていく画像データに、これが時の流れを物質(データだけど)で感じるということかも?なんて思ったりもしました。

まとめ

100日ワニスタイルは、毎日手を動かさせるシステムにはならない

イラストに慣れは生まれたので、「毎日やったこと」に対しては一定の効果が生まれる気がする

やるなら成果物を直接毎日投稿したほうが良い

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