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雲の高さを推理せよ!【第59回-実技1-問1(1)中編 気象予報士試験の解説】

第59回気象予報士試験の実技1を解説していきます。
全ての記事を無料で公開します。
1人でも多くの人に、気象について興味を持ってもらえたらうれしいです。

問題

図2によると、華中から西日本および日本海西部にかけて明白色の(⑦)の高い雲を含む雲域がのびている。図1によると、この雲域の一部がかかる福岡は、(⑧)を主体とする雲に覆われており、(⑨)の雲量は8分量の1である。

⑧⑨(上層雲 上・中層雲 中層雲 中・下層雲 下層雲)

(一財)気象業務支援センターの掲載許可済

⑦衛星画像から何がわかるか

問題文のとおり、図2をみます。

(一財)気象業務支援センターの掲載許可済

たしかに問題文のとおり、
華中(大陸)〜東シナ海〜西日本・日本海に雲があります。
その色は、明るい白色です。

ところで、図2は気象衛星の赤外画像です。
したがって、雲の色によって、雲頂の高度がわかります。
なので、回答は、⑦雲頂高度が高いとなります。

赤外画像と可視画像では、示す意味が全く異なりますので、
整理しておきましょう。

(参考)赤外画像のおはなし(59回専門9)

赤外画像と可視画像の違い

⑧⑨地上天気図の読み取り

問題文のとおり、図1の福岡をみます。

(一財)気象業務支援センターの掲載許可済

右下の「福岡の実況」に書いてあることを読み取るだけです。

まず、福岡では、空全体(全天)のうち、
9割が雲におおわれています。

全雲量の記号(出典1)

しかし、⑨下層雲は8分量の1しかありません。
(全雲量記号の右下・気圧変化量「+00」の下にある「1」)

全天の9割は雲で覆われているのに、
下層雲は8分量の1しかないわけです。

したがって、上層や中層にべったりと雲があると推測します。

実際、上層には巻雲、中層には高積雲があるので、
福岡は⑧上・中層雲を主体とする雲に覆われていると推測できます。

ちなみに、雲形記号もマスターしよう

この問題を解くうえでは必要のない知識ですが、
雲の高さ(上層・中層・下層)や形(層状雲・対流雲)によって、
分類する十種雲形があります。

たびたび、この問1で問われますので、
暗記が大変ですが、マスターしておきましょう。

雲形の記号(出典1)

なお、雄大積雲は、十種雲形の積雲と読みかえます。
また、「---」の記号はあまり出ないかな・・・

覚える際のポイントは次のとおりです。(例外はありますが・・・)

  • ステッキ_)があれば「巻」(上層の雲)

  • 斜め棒/があれば「高」(中層の雲)

  • 斜め棒2つ//は「乱層雲」

  • 横棒_があれば「層」がつく雲

  • もくもくしていれば「積」がつく雲

まとめ

いかがでしたか?(^▽^)/

ここも全問正解して、ムダな失点をしないようにしましょう。

記号の暗記は大変ですが、大丈夫!
ちゃんと得点の形で結果に表れます!

出典など

出典1:「気象庁|国際式の天気記号と記入方式」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/symbols.html)から抜粋して作成

※ 本記事における解答や解法は、個人の見解であり、(一財)気象業務支援センターとは関係ありません。