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【オーディオ】SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ レビュー

今回は久々な気がするワイヤレスイヤホンの話。しばらく使っていい感じだったので布教を兼ねて紹介したいと思います。


購入経緯とか

しばらくMOMENTUM True Wireless 3(木綿3)をメインで使っていたのですが、そちらが故障したことで、代替が必要になり購入。急だったので懐事情的に予算20k以内、保証1年以上という条件で、発売間もないこれがちょうど手頃で目についてポチりました。購入価格は13kほど(セール時だともうちょっと安い)。加えて20kオーバー級で評判になっていたMEMSドライバーを、この価格で搭載しているというのも興味をそそられる点でした。

音質傾向

MEMSドライバーは高域が特徴とされていますが、本機種の傾向自体はハイブリッド構成のダイナミックドライバを活かした低域寄りな感じ。重低音までしっかり鳴りますが、ズンズン響くというよりは余韻重視でまろやかな印象。

中域は全体的に尖った特徴はありませんが、見通しが良くボーカルはハッキリ前に出てきます。

ウリの高域は非常に伸びやかで澄んだ音。若干粗さを感じる部分もあり、音圧のきつい音源だと疲れやすくはあります。

インナーイヤー型としては音場はまずまず広め。ただボーカルが主張しすぎるので音量を絞らないと窮屈に感じるかも。

木綿3から価格的には1/3ほどにグレードダウンした形で、解像感は相応に下がり、高域が尖っているせいか音楽鑑賞はジャンルを選ぶようになった感じ。ただ落ち着いた音楽であれば価格以上のポテンシャルはありますし、普段使いするTWSだと動画視聴用途も多くなるので、ボーカルの聴き取りやすさが活きやすいです。

ANC

ノイキャンは公称45db。人の声以上の中高域にはそれほど作用せず、機械類の動作音、特にファン音あたりに対して効力が大きいです。低負荷時のPC(1000rpmちょっと×3基)、換気扇の弱設定、エアコンくらいはしっかり装着出来ていればほぼカット。

より低い車のエンジン音などにも一定の効果はありますが、木綿3と比べると明確に一段落ちる感じ。居住環境によっては物足りなく感じることもありそうです。

声に対して相対的に効力が弱いANCは話し声が非使用時以上に気になったりするので、外での使用にはあまり向いていなそうです。

操作周り、アプリ設定

本体のタップ/長押しで各種操作が可能ですが、うどん型で上寄りにも反応エリアが伸びているため誤爆を避けにくいです。アプリでこの設定は変えられるので、私は1タップ操作を無効にしています。またこのアプリを入れないとマルチポイントが使えません。登録が手間ですが導入しておいた方が良いでしょう。

ゲームモードはこのコンフィグで割り当てた操作か、アプリ上で直接切り替えることで使用可能です。ただ仕様なのか不具合なのか、どうもSBCでしか機能していないように感じます。逆にSBCであれば他機種でのaptX接続以上に遅延は小さく、アクション性の低いゲームであれば違和感はほとんど覚えませんでした。

ノイキャンの操作は通常→ANC→外音取り込みの順に変わる形。私は基本ANCオン固定であまり使わないとはいえ、2ステップでの切り替えは少し煩わしいです。

その他イコライザー設定やファームウェアアップデート(執筆時点ではデフォルトで最新)、保証の6ヶ月延長などもアプリから行えます。

接続周り

BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDAC。LDACはスマホであれば使える機種も増えていますが、バッテリー持ちが著しく悪いですし、マルチポイントが使用不能となる問題があるので、よほど音質に拘るのでなければ不要でしょう。

他のコーデックだと音質的にはAAC>SBCとされていますが、前述のゲームモードがSBCでしか効いていない気がするので面倒ならSBC固定でも良いと思います。またAndroid以外だとそもそも任意のコーデックに切り替えるのが不可能か困難であるため、今後のファームウェアアップデートでの対応を期待したいところです。

マルチポイントはアプリで有効化すれば、音を出したり止めたりするだけでスムーズに切り替えられます。無効だと都度切断やBluetooth無効にする必要があるので、複数デバイスで使うならアプリ導入はほぼ必須。

その他使用感

本体の装着感は良好で、イヤピ以外から耳へ負荷が掛かることも少ないです。個人的には睡眠時にアイマスクと併用しているのですが、その際に干渉することもありません。安定性も高く、耳穴の形状の都合で装着が安定しにくい私でも歩きながら使えそうです(色々危険なので実際には使いませんが)。

楕円ノズルですがイヤーピースはだいたい装着可能。コレイルなど微妙にケースに収まりきらないものもありますが、蓋を閉めればLサイズ(14mm)でも充電は問題無く行えます(物によっては変形があるかもしれないので自己責任で)。

耳へのフィット性≒遮音性の都合で私はコレイルを使うことが多いですが、高域の粗を軽減出来ないのがネック。音質重視なら落ち着いた音になるディープマウントZONEが良いと感じます。

バッテリー持ちはANCオンで公称5時間で、実使用においても概ね同様。このくらいあればサブ機無しで使っていても不自由さは感じない程度です。同価格帯でこれ以上となると、音質傾向が明確に合わない機種しかなかったのでまあ十分でしょう。ケース込みではANCオンでも公称33時間と非常に長いです。

ビルド面

ケース、本体ともにマットブラック基調にゴールドが差し込まれた落ち着いたデザインで、個人的にはかなり好みです。各種規格のロゴなどが一切無く、ゴテゴテしていないのも◎。

デザインが良いだけにケースがどうやっても自立しないのはやや残念なところでした。底面にType-C端子が付いていることもあり、基本その辺に寝っ転がしておくことになります。

それと重箱の隅をつつくようですが収納時の向きが装着時の向きと逆になっているのは少々不便。

総評

音質、機能、ビルドなど総じて一定以上のものがあり、ハイエンド帯には多くの要素で明確に劣るものの、10k台前半という価格帯を定義する良作だと思います。業界全体の進歩の速さも感じます。

低音の派手さと物量で誤魔化しがちなこの価格帯以下のTWSにおいて、落ち着いた音を出せるのが個人的に特に好印象な部分です。

私の環境だとPCでゲームモードが使えない(AACが優先されている)のはかなり惜しいです。まあ5時間だと家で腰を据えて使うには物足りませんし、有線を含めた他の機種と併用することになりそうです。


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