20/1/8 リンカーン・プロジェクト(高城剛)

南北戦争による分断の危機を乗り越えたエブラハム・リンカーン元大統領を理想の大統領として位置づけている「リンカーン・プロジェクト」は、2019年12月に発足し、「選挙でトランプ大統領とトランプ主義を破ること」を目的としている共和党内の反トランプ団体(スーパーPAC)です。
着目すべきは、「リンカーン・プロジェクト」が、「米憲法を尊重する民主党候補であれば受容する」と宣言している点で、バイデン陣営とリンカーン・プロジェクトは、「打倒トランプ」を共通目標に掲げて、裏で手を結んでいたことがのちに発覚します。
つまり、現在の米国は、事実上一大政党なのです。
なにより「リンカーンプロジェクト」を精神的および資金的に支えているのが、先月お伝えしたバイデン大統領誕生の本当の立役者で、一昨年亡くなった共和党のジョン・マケイン上院議員の未亡人シンディー・マケインです。
米国を代表するビール「バドワイザー」の実質的オーナーであり、アリゾナを牛耳るといっても過言ではない財閥の相続人シンディー・マケインは、関連団体を通じ、多額の資金を「リンカーン・プロジェクト」に投入し、また、共和党内の反トランプ議員の数を、少しづつ増やすことに尽力しました。
その中には、ペンス副大統領も含まれ、先月「リンカーンプロジェクト」が放った動画が、まさに今日を物語っています(https://bit.ly/2XhjVyz)。
ジョージアの上院選で2議席が民主に移ったトリプルブルーの米国は、リベラルやフェアの名の下に、早々に米議会で子孫ひとり頭500万円の巨額な黒人への奴隷保障が議論され、その決定を持って、日本の周辺国家から賠償要求もはじまるでしょう。
米国の分断は、単なる内戦を意味しません。
過去まで遡る世界の大きな分水嶺となるのです。

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