しっくりくる仕事のスタイルは長年かけて身につける(前編)

仕事のスタイルは一朝一夕には見つからない。長い時間かけてトライ&エラーを積み重ねて自分にしっくりくる仕事のスタイルを見つけていく。1冊本を読んだり、1時間講演を聞いたりするだけで、すぐに仕事のスタイルが確立されるわけではない。

人それぞれ生まれ持った性格も違えば、育ってきた環境も違うため、仕事のスタイルも人それぞれ違うのは当たり前である。誰かの仕事のスタイルを真似ても、それが自分にしっくりくるかどうかはわからない。しっくりくるスタイルもあれば、しっくりこないスタイルもある。

私は40年近く生きてきて、しっくりくる考え方がいくつかある。

①生きる術を身につけるためには7年程度の時間を投資する必要がある。
②意思決定は「数字・ファクト・ロジック」で出す。
③仕事はミッションを実現するために存在している。

まず、①について。
自由に生きるためには、生きる術を身につける必要がある。生きる術を身につけることなく、会社をやめて生きていくことは、自由に生きるのではなく、一時的なストレスフリーに過ぎない。時間をかけて生きる術を身につけることによって、真に自由な人生を送ることができる。自由に生きるための生きる術を身につけるには最低7年程度の時間がかかる。

生きる術を身につけることは楽しい。コツコツと自分のスキルを積み上げていく作業は、真面目な日本人にはあっている。今磨いているスキルを身につけたら、次の7年でどんなスキルを身につけるか考えるのは楽しい。また、1つではなく、同時にいくつかの生きる術を身につけることも可能である。

人生の最期を迎えるまでに、どれくらい沢山の生きる術を身につけられるか楽しみである。この戦術は人生を重ねれば重ねるほど、資産が積み上がっていく。人生の後半になればなるほど、多くの生きる術が身についてくる。それを想像するととても楽しみである。

次に、②について。
仕事は意思決定の連続である。専門知識があろうがなかろうが判断していかなくてはいけない。私は、これが非常に苦手であった。「質問に答えることができなかったらどうしよう」という気持ちを抱えて仕事をしてきたため、それがストレスであった。しかし、ライフネット生命創業者・出口治明氏の意思決定方法「数字・ファクト・ロジック」で決めるという考え方に出会ってから、質問に答えることが苦ではなくなった。「数字・ファクト・ロジック」を意識して答えを出すことにより、答えを出しやすくなった。

「数字・ファクト・ロジック」を意識して意思決定するようになって感じたことは、今までいかに余計なことに気をつかって判断してきたかということだ。つまり、今まで、その場の空気、過去の会社の慣習、実務上の面倒くささなど、余計なことばかり考えて意思決定をしていたので、答えを出すのが遅く、まともな答えを出すことができないことに気がついた。「数字・ファクト・ロジック」というシンプルな方法論で意思決定するようになってから、余計なことを考慮して意思決定する必要がなくなり、スムーズに答えを導き出せるようになった。

続きは後半。

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