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卒乳・断乳ケアに携わる助産師の思い


いつの間にか目黒川の桜は新緑に衣替えし、水面に映える木漏れ日が心地よい季節となりました。

3月はプライベートでもイベントの多い月だったので、慌ただしい日々でしたが、体調を崩すことなく日々過ごすことができ感謝しております。

そして毎年3〜4月は、新生活に向けた断乳・卒乳のご依頼が増えるのですが、育児の区切りに携われるのは感慨深いです。

今年も、多くの方の断乳・卒乳ケアに携わってきましたが、一体どれだけのお子様が1年後も「授乳期間」を記憶しているのでしょうか。

おそらく、ほぼに近いと思います(長期授乳継続者を除く)。

ですから、「私都合でやめてしまって申し訳ない」とか「母乳がうまくできなかった」等の自責の念を抱く必要は全くないと思います。

大切なことは、お子さまの「欲求」を「満たす行為」の繰り返しなので、断乳・卒乳後はミルクや離乳食で、食の幅を広げていけば良いのです。

授乳期間の長短に関係なく、どのような理由であれ、母乳育児を卒業した母親全員に「卒業おめでとうございます!」と毎回思っています。

以前、「断乳した日に、夫が花をプレゼントしてくれました。」と言って花をみせてくれた方がいました。

そこには「今までありがとう、パパより。」というメッセージもそえられていました。

(このような心遣いをされるお父様には初めて出会ったので印象的でした!)

母乳育児は閉鎖的な行為で、誰からも賞賛されないし、当たり前のことだと思われがちです。

しかし「こんなに母乳育児が大変とは知りませんでした。」と、多くの方が母乳育児の壁にぶつかります。

・母乳トラブル(傷、しこり、痛み、炎症)
・母乳不足感、母乳分泌過多
・赤ちゃんが吸わない(授乳拒否)
・ミルクの補足量がわからない
・夜間の頻回授乳

母乳育児に対する苦労やストレスは個人差がありますが、少なくとも当院ご利用者は全員トラブルや悩みを抱えていました。

お子さまの成長と共に、悩みや不安の内容は刻一刻と変化していくのですが、最後の「母乳育児をやめる時」くらいは、トラブルなく終えてほしい。

そんな思いを抱きながら、これからも皆様に寄り添っていく所存です。

青葉繁れる好季節、皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします。

港助産院 城野



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