note表紙

7月notemeetupイベント参加レポ ~うつヌケ・やさしく、つよく、おもしろく。~



目次

・田中さんトーク「どうしたらnoteで稼げるのか」
・ながしまさんトーク「なぜマンガを描いているのか」
・Q&Aコーナー


今回のゲストは、「うつヌケ」の田中圭一さん・「やさしく、つよく、おもしろく。」のながしまひろみさん。





ながしまさんはなんと、「生まれてはじめてこういう場に出ました」だそう!
貴重なお話を伺える機会になりました。

イベントは、まず田中さんのお話で始まります。


<田中圭一さん bio>
・ noteでうつヌケを連載
・書籍うつヌケが30万部を突破



田中さん

「うつヌケを書こうと思った理由は、自身がうつを抜けて気持ちが上向き、本を書きたいと思ったからなんです。

そこで、Twitterで『本を書きたい』と編集者さんを募集したところ、ものの30分で角川文芸さんからお声がかかった。
その後Cakesの加藤さんからもお話をいただき、『角川文芸さんとCakesさんの読者層が被っておらず、食い合いがない!』とのことで、両方での執筆を決意しました。」


どうして、それほどうつヌケがヒットしたと思いますか?

「Twitterで『本を書きたい!』と告知してますよね。
それで、編集者さんから実際にリプライがくる。フォロワーさんは、それをリアルタイムで見ているから、ワクワクするわけです。
だから、出したときにたくさんの人が買ってくれました。


本の表紙が、女性でも手に取りやすいように、うつという言葉が重くならないようにということも工夫しました。
あとは、口コミですね。


ギャグマンガって消費されていくマンガなんです。本を買ってまで『何度も読みたい!』とは思わない。
でも、うつヌケは苦しんでいる人からすれば、100円出して1話買うなんて屁でもないじゃないですか(※noteで1話100円で公開されています)。

ユーザーがお金を出してでも読みたいものなのか。
1冊の本になったら書店で買うかどうか。
どうしても欲しい人がいるジャンル・中身のものをnoteで売ることが大事です。


あとは、『次も読みたい』と思うかどうか。
私は、noteで、無料で見れる1ページ目はダイジェストにしています。
そこで読者に『ここまで見せておいてズルい!』と思わせる。

アメリカのドラマの24なんか参考になりますよね。
『ここで続き!?えー!!!』って笑


ショートギャグはね、キャラクターが立ってないものは弱いんですよ。
オムニバスはキツい。

キャラを愛してもらうことが必要です。
『こぐまのケーキ屋さん』とかね。


キャラが愛されると、癒されて終わりにならないんです。
グッズが欲しい→最後に『グッズとしての本が欲しい』となる。
グッズの一環として単行本を買うんですよ。

『しかるねこ』もキャラが愛されているけど、『こぐまのケーキ屋さん』ほどは売れてない。
ストーリーがないんですよね。
『こぐまのケーキ屋さん』は、水族館に行きました、とかストーリーがある。」


田中先生、ありがとうございました。




次はながしまさんお願いします。


<ながしまひろみさん bio>
・「ほぼ日」で「やさしく、つよく、おもしろく。」を連載
・ Cakesのクリエイターコンテスト入賞(応募は9000件以上)


ながしまさん
「週に3-4日会社に行き、残りをマンガにあてています。
ランドセル屋さんの販促でデザインをしています。」



マンガと両方やっていらっしゃるんですね。
お仕事でしんどいことはありますか?


「家で作業するので、集中力を保つのが大変です。
今後の心配をしています。『これからどう続けていくか』。」


田中さんも、マンガと会社の両方をされていましたよね。

田中さん
「大学生当時、マンガの連載を持っていましたが、何か就活しないと、と思いました。

そこで、『どの仕事ならくじけずにがんばれるか』を考えたんです。
じゃあ、好きな玩具なら頑張れそうだ、ということで、タカラトミーの前身に就職しました。

自分のマンガのキャラ設定に近かったので、頑張れましたね。」


ながしまさんは、マンガを描くきっかけはなんだったんですか?

ながしまさん
「私は北海道の田舎で育ったので、美術をこころざそうとは思ってなかったんですよ。
で、友だちに『絵うまいね』って言われて、『そうだ!わたし絵うまかったかも!』って。


今のマンガも、ほめてもらえるとすごく嬉しくなって、という感じです。

一回マンガを描いて発表したら、会社の人にすごいほめられたんです。
今まで仕事でほめられたことなんてなかったのに笑

すごいほめられてめちゃめちゃうれしくて、会社のコピー機でコピーして配ったりしてました。
仕事しろ、って感じですけど笑



『やさしく、つよく、おもしろく。』も、ほめられてうれしい、というだけです。

あとは、糸井重里さんの言葉がすきだったので。
(※「やさしく、つよく、おもしろく。」は、名コピーライターの、糸井さんのことばをモチーフに描かれています)」



たくさん質問をいただいているので、質問コーナーにいきましょうか


Q. 編集者に求める役割はなんですか?

A. 
田中さん
「編集者がプロデューサー、マンガ家がディレクターのように考えています。

今ってデジタルで自分で売れるようになって、noteとかもそうだけど、紙の本のマネタイズの役割が小さくなっている。
出版社いらないじゃんって。

だから、編集者のプロデューサーの役割が重要になってきます。
『プロデューサーである編集者と組んで、ネットで仕掛けよう』という。


世の中のヒット作の多くが、編集者が作者と共同で書いたと思えるくらいのものです。
だから、編集者も関わった分の分配がもらえるようにするのがいい。

半々で作業をしたら、編集者も半分もらう。
そうしたら編集さんがもっと前に出てくる。
平等が大事。


名プロデューサー的編集者がいれば、それに来るマンガ家も絶対いる。

それが、新たな時代の生き方。

うつヌケが30万部も売れたのは、間違いなく編集さんのおかげです。」


ながしまさん
「ほぼ日のときは、編集さんではなくデザイナーさんがやり取りの窓口になってくれました。

1年くらいの期間で、毎週や隔週に、フレームを送って見てもらう→okがでたら書いて送る。
一人でやるのとは全然違いますよね。


最初に見てくれる人が「いいね」って言ってくれたり、ほめてくれると嬉しいです。
会社にいるときにそのことばをちらちら見たり。

それを心待ちにしてました。」



Q. ウェブでマンガを発信するとき、SNSが必須だがそこで気を付けていることは?

A.
田中さん
「ちょっと発言を間違うとすぐ炎上するんですよね。

やりにくい。
特に、政治的発言。
わざわざこっちに聞こえるように、罵詈雑言を浴びせてくる。

メンタルが弱い人は持たない。
嫌な人をブロックしても、他の人に責められたりするから。

そういう攻撃をされても、平気でいられるメンタルの強さですね。
いかに気にしないか。

そういう人は、実際会うと本人を前にして言えない人も多いみたいだしね。


一定数の人は、ありとあらゆるものに文句をつけてまわっている。
叩く人たちは、クリエイターになったらいいものをかけない人たちです。

才能があるマンガ家でも筆を折る。
書く人は、メンタルが弱いんですよね。
でも折れるともったいないです。

強くなるのは難しいので、気にしないことが大事。」



Q. こうすれば濃いファンとの関係を築ける、というのはある?

A. 
田中さん
「Gのサムライ(※脱童貞のショートギャグ)をやっていたときに、下ネタ応援ツイートを返してました笑

本当は全員にサインあげたいくらいだけど無理だから、個別のギャグを返してあげる。

サイン会的な役割ですよね。
バーチャルサイン会。

返してもらったら『おお!ついていくぞ!』ってファンはなる。」

ながしまさん
「わたしも応援ツイートもらえるとすごくうれしいです。」


まとめ

「noteで売れる方法」―田中さん
・どうしても欲しい人がいるジャンルと中身のものを売る
・途中まで見せて「続きは!?」と言う気持ちにさせる
・愛されるキャラを
・ストーリー性があるものを


「なぜマンガを描いているのか」―ながしまさん
・ほめられるとうれしい



読んでくださり、ありがとうございます。 このnoteを読むことで、セクシャルマイノリティについて少し知っていただけたり、何か生きるヒントのようなものを見つけていただけたら、幸いです。