翔んだカモメ

翔んだカモメ

最近の記事

かなしあるいはいとし

生きていると、後悔ばかりが思い出になり、それが僕はたまらなく悔しい。悲しさと愛しさが、心の中の同じところにある。

    • かなちょろ

      東京23区ではカナヘビがレッドリスト入りしたらしい。僕はカナヘビが好きで、昔はよく馴染んだ存在だ。カナヘビを地方ではかなちょろ、というそうな。確かに庭などをちょろちょろしているのである。カナヘビはめっちゃ可愛い。優しい目をしているし、色も上品なんだ。僕の街では未だにちょろちょろしている。君たちにとって心休まる居場所を見つけれますように。

      • 本を借りる

        素敵だと思っている女性に本を貸していただいた。文章の中に性的描写が入っていた。大抵の小説にはあるものだが、僕はなんだか嬉しくなってしまう。この文字をあの子も読んだんだな、と思う。僕は女性に疎いからちょっとわくわくするのだ。興奮とは違う。第一僕は変態じゃないしね。ちょっと良いなって思うのだ。

        • 7月の桃

          7月は、1番夏って感じがしてるくせに実際のところは梅雨の真っ只中で海の日ですら晴れやしない。そんな7月は桃をひっきりなしに食べる。3年かけて実る桃を僕は一日に最低2つは食べる。いいんだ、お中元で冷房庫は桃源郷になってるから。僕はペティナイフでできる限り身を削らないように慎重に刃を入れる。剥いた皮が途切れないようにするのはほどよい緊張感があって良い。適当にざく切りにして適当な皿に盛り付ける。薄いガラスのグラスにビールを注ぐ。部屋のベランダの窓を開ける。こんな感じで7月の夜を過ご

          すべて真夜中の恋人たち より

          与えられたものをどれだけ捨てられるのかが大事だと思う。家族も家も町も何一つ僕が選んだものじゃない。退屈と停滞を、平和とか安心なんかと取り違えているんだよ。

          すべて真夜中の恋人たち より

          彼女の匂いについて

          人の記憶で最後まで残るのは匂いだ、というのを見かけたことがある。僕には分からない。人の匂いは言葉で正確に描写することはできないし、彼女の匂いなど思い出せないからだ。僕は彼女の匂いがとても好きで、「入浴剤の檜の香りがする。」とよく伝えていたことは覚えている。彼女の匂いは5秒間その場に留まるので、僕は彼女の姿が見えなくても5秒前そこを彼女が通ったことが分かった。僕が街を歩いている時に彼女とすれ違うことがあったら、僕はその匂いに気付くだろうか?もし気付いたとしたら匂いは記憶に残るこ

          彼女の匂いについて

          僕は書いてみようと思う。

          文章を書くことは難しい。書きたいようなことがあるけれど書くことは難しい。たぶん恥ずかしいからだ。言葉に自信が無いんだろう。でも、時々は机に転がってる不要な紙に書いてしまうこともあるし。

          僕は書いてみようと思う。