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結果を知っていても楽しめる。NFL&NCAAの試合(Week9)

20年前にアメフトに出会い、気づけば日本国内・国外合わせてハイライトも含めると、年間300以上の試合を見ています。

多くの試合を見ていて感じるのですが、アメフトの試合は1試合全てを見ようとすると、約2時間から3時間。仮にCMやプレー間をスキップして見ても40分から1時間かかります。

試合はBSや衛星放送、youtube、NFLGamePass(https://gamepass.nfl.com/)など、様々な方法で見ることができますが、忙しい中時間を作って見た試合が、つまらなかった時の損した気持ちは、何とも言えません。

そこで、少しでも皆さんのアメフトを見る時間が無駄にならないよう、私の独断で選んだ、結果を知っていても楽しめるであろう試合を毎週、見どころと共に紹介していきたいと思っています。

国内のフットボールは読んでくださる多くの皆さんにとって身近だと思うので、基本的にはNFL/NCAAの試合を紹介していきます。

もちろん、面白いポイントは個人差あると思っていますので、あくまで私個人の独断で選んでいる旨、ご了承ください!

過去の試合を含めると膨大な量になってしまうので、2019年シーズンの各週ごとにご紹介したいと思っております。


結果を知っていても楽しめるNFL Week9の注目試合
49ers(7-0)@Cardinals(3-4-1)
全勝チームに挑む大学最優秀選手

Week9の時点で7戦全勝と波に乗る49ersに同地区のCardinalsが挑みます。

CardinalsのQBといえば、2019年ドラフトで1巡1位指名されたKyler Murray選手ですが、Murrayは大学では主に野球選手として活躍しており、MLBのドラフトで1巡9位で指名されたこともあり、メジャーリーガーになるものだと周囲に思われておりました。

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(MLBのアスレチックスから1位指名を受ける)

ところが4年生で名門オクラホマ大学のスターターQBになった2018年シーズンで、13試合でパスで4,361yds 42TD、ランで1001yds12TDをあげる大活躍をし、全米最優秀選手に選ばれてしまうことになります。

一気に注目が集まったMurrayはNFLで1巡1位指名を受け、プロ野球選手ではなく、CardinalsでNFL選手になる道を選びます。

そんなMurrayのいるCardinalsは、NFLのオフェンスの中でも一番体型が多いのではないかと思うほど、多彩なオフェンスを展開します。身長が178cmしかないMurrayはNFLでは超小柄なため、QBのランに加えてロールやオプション、プレーアクションなど、QBを動かし続けることで、ラッシュのポイントをずらします。

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(レシーバーのアラインやオン/オフもプレー毎に変わっていきます)

特にこの試合では49ersの強力DLに対抗する為、3STEP以上のドロップバックはゲームの中でほとんど見せていません。

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(49ersはフロントのタレントを活かし圧力をかけオフェンスを壊します)

49ersのオフェンスはCardinalsとは違いパワーフットボールを展開。ショートパスとアンダーセンターからのランプレーがメインですが、ブロックもキャッチもできるスーパーTEのGeorge Kittleを複数のポジションで起用することでディフェンスに的を絞られないオフェンスを展開します。

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(Kittleは多くのポジションでプレーをします)

カーディナルズはこのオフェンスに対して、ブリッツとMtoMでプレーを潰す作戦を取っていきますが、FBのkyle juszczykを中心としたランユニットが前にプレッシャーをかけてくるディフェンスをゾーンブロックで支配してしまいます。

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(FBの強さを持ちながらボールキャリアにもなるkyle juszczyk)

この試合、お互いのオフェンスの持ち味が発揮され、点を取り合う好ゲームとなりますが、まったく色合いの違うオフェンスなので、見ていて飽きないゲームとなってます!


■footさんの簡易ゲームレビュー(★5つが最大)
試合展開:★★★★
オフェンス:★★★★
ディフェンス:★★★

■試合の動画はこちら!
https://www.youtube.com/watch?v=NWIKRmoPh44

結果を知っていても楽しめるNCAA Week9の注目試合
Oklahoma(7-0)@Kansas state(4-2)
悲願の全米チャンピオンへ

今週は、先ほど紹介したカーディナルズのKyler Murrayが所属していたオクラホマ大学の試合を紹介します。オクラホマ大学のQBはMurrayの卒業後、Jalen Hurtsがアラバマ大学より転校をしてくることになります。

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Jalen Hurtsは名門アラバマ大学で1年生からスターティングQBを務め、全米No1を決めるチャンピオンシップで惜しくも敗れますが、レギュラーシーズンは全勝という素晴らしい活躍で大学フットボールのキャリアをスタート。

2年生時もレギュラーシーズンを13勝1敗でチームをチャンピオンシップまで導くのですが、チャンピオンシップの後半から突如ベンチに下げられ、当時1年生だったTua Tagovailoa(今年ドルフィンズに1位指名)に衝撃的な形でQBのポジションを奪われてしまいます。

その後QBを交代して全米チャンピオンとなったアラバマ大学は、翌年3年生になったHurtsを控えに廻し、正式にTua Tagovailoaをスターターとします。

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(Tua Tagovailoaの控えとして1年間過ごします)

チームをチャンピオンシップに導く実力があるにも関わらず1年間出場機会を得られなかったHurtsは全米チャンピオンを自らの手で勝ち取るため、大学4年生のシーズンでオクラホマ大学に転校することを決意。

Hurtsの魅力は、正確なパスに加えて、プレー遂行能力の高さにあります。RPOやオプションの判断に優れ、自ら走る際にはヒットを恐れずに前進していくので、ロスが少ない安定的なパフォーマンスを出します。フットボールIQの高さも見て取れます。

オクラホマ大学では、カウボーイズに1巡指名されるWRのCeeDee Lambとコンビを組み、ハイスコアオフェンスを展開します。

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https://www.youtube.com/watch?v=1571Ihhk65Q


全勝のオクラホマ大学に挑むのは、カンザス州立大学です。カンザス州立大学は名門校とは言えず、このシーズン終了後のドラフトで指名された選手も0名となるなど、目立った選手もいません。

こうなると戦前の予想はもちろんオクラホマ大学の大差での勝利が強く予想されるのですが、この試合なんとカンザス州立大学が41対23とリードをして第4Qを迎えることになります。

カンザス州立大学はオクラホマのミスを上手く得点につなげ、積極的にQBを走らせることでゲインを積み上げていきます。

カンザス

(ランプレーを中心にボールをコントロールします)

全米チャンピオンになるためには負けることができないオクラホマは追い詰められますが、Jalen HurtsとCeeDee Lambに徹底的にボールを集めることで、第4Qに驚異的な追い上げを見せていきます。

試合を通じて、大学生らしく粗いプレーもあるのですが、粗さも含めて楽しめる大味なフットボールを是非楽しんで下さい!

■footさんの簡易ゲームレビュー(★5つが最大)
試合展開:★★★★
オフェンス:★★★★★
ディフェンス:★★★★

■試合の動画はこちら!
https://www.youtube.com/watch?v=nUjUudlQTIw

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