バルセロナvsグラナダ 見た感想


一言でいえば、やっぱりメッシ。

ヨハン・クライフ信奉者で有名なキケ・セティエンが、バルセロナの指揮官に就任してからの初めての試合。バルセロナ「らしい」フットボールが見れるかもしれないと淡い期待を胸に、早朝からこの試合を観戦した。

試合開始から、バルサは期待通り「らしさ」を存分に発揮し、ポゼッションサッカーを展開していた。また、前監督時と比べてチーム全体の守備意識が大きく改善されていた。

気になったのはアンス・ファティが右サイドで使われ、メッシの0トップという采配を選んでいたことだ。メッシの0トップはともかく、アンス・ファティの右ウィングが機能していたとは言い難い。これが原因で徐々に右サイドの攻撃そのものが機能不全に陥っていき、アンス・ファティ自身もボールを受けようとする位置が悪かったというのもあるが、後半には段々と彼にボールがうまく回らなくなっていった。

個人的には、ファティは左サイドで活躍できるプレイヤーだと思っているので、セティエンのこの采配には疑問視している。だがルイス・スアレスを欠く今のスカッドでは、正解の配置を見つけるのには多少時間がかかるだろう。

見ていて不安だったのは、アンス・ファティは79分にカルレス・ペレスと交代するまで同じ位置でプレーしていたということだ。これはファティが悪いと言っているわけではなく、機能不全に陥った右サイドの攻撃を79分まで修正しようとする気配すら見せなかった監督だ。右サイドの致命的な状況を察したメッシは、自身が右サイドに流れることで何とかしようとしていて、最終的にはヘルマン・サンチェスのレッドカードを誘発し、結果的に得点につながっている。

この得点には71分にラキティッチに代わって入ったリキ・プッチも間接的に絡んでいる。プッチは将来が楽しみな選手であるが、現在の中盤の層の厚さを考えると、誰かがクラブを去らない限り、出場機会を多く得ることは非常に難しいと思われる。

結果として1-0で勝利を収めたバルセロナだが、今後に向けて小さな期待と大きな不安が残る試合だった。しかし、チームとして成熟していけば全盛期のバルセロナのように相手を圧倒するフットボールを展開できるだろう。願わくば、3月のエル・クラシコまでに一つの形として成り立っていてほしい。

バルセロナは23日に国王杯の後、26日にアウェーでバレンシアと、グラナダは同じく23日に国王杯の後、26日にアウェーでセビージャと対戦する。

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