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「ルックバック」;出来るだけあなたに伝わるように書く感想文<51>

「ルックバック」(映画/2024)

 本作は藤本タツキさんが原作の同名読み切り漫画の映画化作品。2021年に公開された原作漫画は単行本化もされており、オンライト並行して購入可能。藤本タツキさんはファイアパンチやチェンソーマンの作者としても知られている。特に後者は2023年にアニメ放送がなされ、主題歌を含め話題になった。本映画は58分と比較的短い時間で公開され、いくつかの劇場では公開記念の来場者限定グッズも配られているそう。

 小学4年生の藤野は漫画を描くことが好きで、学年だよりに4コマ漫画を掲載する。その漫画は教師や親族にも褒められ、彼女の大きな誇りだった。しかしその学年だよりに、不登校の京本の漫画が掲載され「並べると藤野の絵はフツー」と言われ彼女は京本を強烈に意識し、背中を追いかけようと努力する。他方で不登校の京本は引きこもった部屋の中で、藤野の漫画を面白いと思っていた。そして卒業式の日、藤野は担任から頼まれ京本の自宅に赴き彼女の卒業証書を渡す。この日不意に吹いた不思議な風は2人を結び付けた。



 面白い!!
 原作を読んだことがなく、チェンソーマンすら見たことがない人も楽しめるはず。この原作を読んだ人にも勿論見て欲しい。原作を読んだことがある人の中には、もしかしたら映像化の物足りなさだったり失敗の目を見たくない方も居るのかもしれないがそれは杞憂だと思われる。原作漫画に対する映像制作者の解像度がここまで高い作品は初めて見た。劇場に行って見て、家に帰って、もう一度漫画を手に取り、一コマ一コマをじっくり味わう価値がある作品だと感じる。



 芸術の才能を才能だと思って消化するのは良くないと思った。

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