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「監察医朝顔」;出来るだけあなたに伝わるように書く感想文<54>

「監察医朝顔」(ドラマ/2019)

 2019年の夏クールにTBSで放送された月9ドラマ。
 上野樹里さんが主演をつとめ、風間俊介さんや時任三郎さんらも出演する。原作は香川まさひとさんと木村直巳さんによる同名漫画だそう。
 2020年には第2クールが放送され、特別版も2019年と2020年に放送された。

 「遺体の“生きた証”を探すふたりのかけがえのない日々を描く、この夏一番の感動作!!」。上野さんは司法解剖を行う法医学者万木朝顔を演じ、時任三郎さんは刑事万木平を演じる。朝顔と平、このふたりは実の親子。そして、朝顔の母里子はあの3.11に朝顔と岩手県を訪れて以降行方不明となっている。



すみません。実はまだ5話までしか視聴していません。
でもこの熱量をどうしてもと思い、書いてしまいます。。


 もうこの時点でボロ泣き数回。。
 この作品はある人に紹介されて見始めた。正直予想していたのは医者や刑事の非情さという、いわゆる医療モノ刑事モノの展開だった。
 上手く喩えることが出来ないが、「初めて蕎麦屋でかつ丼を食べた時の感覚?」かな。
 確かにリピートしたくなる元気をもらえる作品だと思う。
 数十年後、僕がしっかりとした痴呆持ちの老害になって、若者相手このドラマを繰り返し薦める姿が容易に想像できる。


 後悔のない人生を歩みたいと思う。
 僕の人生は僕のためだと思うし、僕がやりたいことをすればいいと思う。だからもし、あなたにやりたいことがあるならばそれをするべきだと思う。フランクル先生みたいなことを思っている。
 トラジェティックな出来事は往々にして人を変えると思い出させられる。別に人生をそこまで変えたいわけではない。変えないことの安心感と、征服感も得られる気がする。でも、それじゃだめだし元気を出さねばならぬと思わされる。

 勇気を出してお花でも渡してみようかなと、そんな気になってくる。。


<10話までの追記>

 朝顔は母になる。
 そして夫と5歳になった娘と父と同じ家に住む。
 医者としても新人から一人前になった朝顔と、夫の桑原君も出世して県警に異動になる。



 5年という月日が流れた後に、「変わらないもの」と「変わってしまったもの」が描かれる。新しい命と変わらない命の対比が見ていて辛い。成長し、自然と変化してゆくモノは、周りを置いていくようにも映る。幸せが変化の先に、苦しさが過去の中に存在するように描かれているようでならない。
 変わること一辺倒への希望的観測を持つ明るさを現代日本の価値観に落とし込むことは、個人的には難しいと思う。2011年から8年後に作られた本ドラマでも、亡くなった娘、失った妻を受け入れられない自分を受け入れようと苦悩する様子が描かれ、自分の経験でこれを解釈できないもどかしさを感じている。


 少々理想論を考えている。
 痛みを背負って生きていっても良いんじゃないかと思う。
 ズキンとこず、じわじわと蝕まれるような痛みがずっと続く感覚。思い出すとずっしり重たいものが心に圧し掛かる感覚。逃げたい。。
 ただ、この痛覚は私の人生の共有できない大切なものである。辛い思いを辛いままおいておくことが出来る心の強さが、明日を生きる強さになると思いたい。

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