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「風の歌を聴け」;出来るだけあなたに伝わるように書く感想文㊴
「風の歌を聴け」(小説/1979)
村上春樹さんのデビュー作。157ページの短い作品で、全体としてもさっくりと読める本作品。
実は高校の先輩だということで彼の他の作品のいくつかを読んだことがあるが、どれも賞を取る作品なのだということが文学音痴でもわかる作品だと思う。
この作品の素晴らしさはどこにあるのかなぁと。
語彙力が足りなくて納得の行く説明を行えない自分自身にやるせなさを感じるが、出来だけ説明してみる。
この本の恐ろしさは、読者に対する視線の誘導の上手さはその一つだと思う。性的な描写なのか、それとも文学作品に対する村上春樹の考えを示す場面なのか、そのどれもがそうなのだと思うが、文章によって読者の志向を操ってしまえるこの文章が末恐ろしいのではないだろうか。だからこそ、素晴らしいと人々が感嘆すると思う。
短い夏の物語を、青春の価値にまだ気づけていないからこそ伺える軽快なタッチで描かれたこの話は流石だったし、妙な説得力を感じる作品となった。
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