「きみはいい子」;出来るだけ他者に伝わるように書く感想文⑩
「きみはいい子」(小説/2012)
中脇初枝さんによって書かれた、ある新しくできた街の関係者各々が、それぞれの視点から語る小説集。新米教師や近くに住む老人、児童虐待をしてしまう母親などが、それぞれの章の語り部を担う。
とても読み易い作品で、この物語とどこかしら自分自身の過去とリンクする部分を感じてしまう。僕自身は母親に虐待された記憶はないものの、この「痛覚」を感じ取りながら読み進めた作品となっている。
子どもは鋭敏な感覚を持っていると気付かされる。小さな彼らは言葉で