【PickUpMatch】#026.いま横浜FCが熱いのを知ってる?
執筆が滞ってしまい、なかなか観たゲームをレビュー出来ていない状況が続いていた。
オリンピック明け各クラブの移籍加入選手もチームに落ち着き出した状況の中、下位クラブ同士の一戦をレビューしていこう。
蒸し暑さが残る8月後半のゲーム、ホーム横浜FCがガンバ大阪を迎えた一戦。試合は三ツ沢で行われた。
前半終了間際にガンバ大阪の佐藤が前に入られ一発レッドカード。DOGSOなので抗議もできず、試合の展開を大きく左右する判定だった。(桑原アナウンサー解説もさすがです)
Topic①:チームカラーが早川色に。
監督の色でいうと、横浜FCもガンバ大阪もボールを握りながら前進を考えるクラブ。
ただ昨季からの踏襲という意味で選手のカラーなどを考慮すれば、横浜FCがより組み立てられた配置をベースにボールを保持するのに対し、ガンバ大阪は個人のアイディアやクオリティを前線で発揮することにより得点を奪うやり方だ。
昨季、新型コロナウイルスの影響から降格はなしというレギュレーションでシーズンが終わったが、攻撃的なスタイルを敷くクラブが多く横浜FCの組織化されたビルドアップは猛威をふるった。
一方今シーズンは降格が4チームという条件も相まり、簡単には得点を許さないという考え方をベースにゲームを戦うクラブが増えたのだ。
苦しんだのは、横浜FC。
個々のクオリティレベルで圧倒するには至らず、ビルドアップは威力を失った。クラブは監督交代を決め、ユースの監督であった早川監督を昇格させたのである。
これが見事にはまっているのが現在の状況だ。若手を積極的に起用し、中盤の瀬古や安永、サイドアタッカーの松尾が力を発揮し躍動している。
昨季2位のガンバ大阪に対しても一歩も引かず、見事に3得点を奪って完勝して見せたのである。
Topic②:U24ドイツ代表のゴールキーパーを獲得
東京オリンピックに出場したドイツ代表のゴールキーパー、ブローダーセンだ。
この選手、もちろんセービングは素晴らしいものがある。それと同時にビルドアップに長けたゴールキーパーなのだ。
例えば前半14分のシーン。相手が前線からプレスを強くかけてきたが、いち早く中央にパスコースを見つけ、ふわっと浮き球でパスを通したのだ。
圧倒的に失点の数がかここから減るに違いない。ゴール前での佇まいや、味方に要求する雰囲気などこれまで横浜FCに足らなかった要素を1人の外国人ゴールキーパーの加入で解消してしまった。
Topic③:決め切る力を継続すること
前半終了間際、相手の一発レッドカードで得たフリーキックを瀬古からアルトゥールシルバ!アディショナルタイムの先制点は横浜FCに勇気をもたらした。
絶対に与えてはならないセットプレーで得点を与えてしまったガンバ大阪にとっては、痛い痛い失点となったはずだ。
このゲーム1-1で長い時間進行することとなる。後半開始早々にコーナーキックからガンバ大阪が同点ゴールで追いつくと試合は振り出しに。
松波監督は一気に3枚を同時にメンバー交代し、後ろを5バックに変え、横浜FCの幅を使った攻撃に対応できるよう布陣を整えた。
80分。途中出場のフェリペビゼウが左足を振り抜いた。相手と重なるようにして入れ替わったボールがビゼウの前に出てきた。
ただ、その前に至るまでの瀬古のリズムの作り方やパスの供給がとてもよいリズムを作っていた。畳みかけて得点を奪い切った横浜FC、これまでなかなか奪えていなかった引き分けを勝ちに持っていくゴールがようやく奪えたという印象だった。
これでついに最下位脱出だ。
残留争いも熾烈を極める。今後も横浜FCの躍進から目が離せない。
それでは。
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