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【PickUpMatch】#022.新たなステージか。流れに合わせた戦い方の統一。

 目下5連勝中のFマリノスは、ホームにアビスパ福岡を迎えた一戦。
 ただ、今節はマルコスジュニオールを出場停止で欠き、畠中は怪我で戦列を離れ、オリンピック代表に選出された前田大然など、主力数人の欠場を余儀なくされた陣容。
 戦前こそ苦しい戦いが予想された。

 結果は2-0で福岡を寄せ付けず貫禄の6連勝。
 強さとしなやかさを見せつける結果となった。そんなニッパツでの一戦をレビューしたい。

Topic①:ビルドアップでゲームを組み立て

 ポステコグルー監督がセルティックに引き抜かれ、チームに激震が走ったはずだが、新監督の元変わらないサッカーを展開している。
 ボールを保持しながら、ゴールを目指すスタイルは継続で、ゴールキーパーからビルドアップを図る。

 中盤のボランチの位置には、岩田と扇原が入り、長短のパスでリズムを作り出す。
 特に岩田は本職右サイドバックの選手であり、流れによって開いてパスを受けたり、前線まで顔を出して関わるプレーは注目すべきところだ。

 また前線にはエウベルや仲川などスピードに長けた選手が揃い、ディフェンスラインの後方(深い位置)を奪い、ラインを大きく下げさせた上で折り返しのクロスなど得点を狙う。

 このゲームも開始直後からボールを握ると、アビスパ福岡をベタ引きの状況にさせ、セカンドボールを回収し続ける一方的な展開となった。
 20分間こそ無失点で耐えていたが、21分天野の右足クロスが福岡ゴールキーパーとセンターバックが重なるような形でオウンゴール、先制点を献上した。

 続く27分。今度はオナイウ阿道。エウベルの正確なクロスをドンピシャのタイミングでヘディングシュートで決めた。
 ここぞというタイミングや時間帯でチームとして圧力をかけ、得点を奪い切る。横浜Fマリノスの強さを見せつけた展開だった。

Topic②:リードした状況を巧みに利用

 サッカーとは、90分の中でいろいろな顔を見せるスポーツだ。基本的には90分ずっと攻め続けることは起きうらず(相当力の差がある場合は別だが)、うまく行かない時間帯が往々にして存在する。

 後半に入っても、2点ビハインドのアビスパは前線に圧をかけるということはしなかった。
(狙いは後半中盤〜終盤にかけて一気に畳み掛けようとしたのだろう)
 そうなると、マリノス側は無理に攻めて、ボールを失う必要はない。ボールをゆっくり繋ぎながら、前線の選手のプレスを引き出そうとする。
 このゲームコントロールが狡猾だったのだ。

 前線のオナイウ阿道を起点とし、少し相手ディフェンス陣がポジションを前に取ろうとすれば、一発で背後を狙う。
 前後で揺さぶったのち、サイドからクロスの精度に長けた選手からセンタリングが上がる。一発で局面をひっくり返せる選手が揃っているからこそ成せるはずだ。

Topic③:連勝は止まらない。

 川崎フロンターレがACLでウズベキスタンに乗り込んでいる最中、横浜Fマリノスはついに勝ち続けた。
 試合数こそ少ないが、その消化が少ない2試合を勝ち切れば、フロンターレとの勝ち点差は僅かに「6」である。

 アンジェポスデコグルー監督のセルティック監督就任が決まり、バランスが崩れるかに思えたがまったくそんなことはなく、退場選手を出して10人となっても、相手がブロックを固めてきても勝ち切ってしまう力がいまのマリノスにはある。

 夏にオナイウ阿道が海外(トゥールーズ)へ移籍が決定した。規格外の選手なので飛躍して欲しい。一方、補強も積極的に行なった。完全移籍で宮市亮を獲得したことで、さらにスピードが増し、マリノスの攻撃陣のはやさが特徴になるはずだ。
 また若手選手も活躍の場をJ2に移したりなど、将来に向けた選手の育成も力を入れ続けている。
 Fマリノスが強くあり続けることが、このJリーグをさらに盛り上げていくと強く信じている。

 それでは。

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