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vol.① 突きつけられたオーガナイズの重要性。

0-1で負けた。
格下と見られ、これまで負けたことのなかったオマーンを相手に。
日本が攻め続け、オマーンがワンチャンスをものにしたいう展開ならまだいい。
でも現実は、オマーンが内容でも圧倒した。

キャプテンの吉田麻也は試合後のインタビューで「何もできなかった、完敗です」と語った。
すべてを物語っていた。

今回は僕なりの視点で、敗戦の要因を簡潔に残したい。
それと同時に、代表戦におけるメディアの扱われ方が変化したことによる今後の展望にも触れたい。

■目次
◯オーガナイズはチームの基準を示し、狙いを明確にする。
◯DAZNでの放送は、日本代表戦の価値を高めるだろう。
◯日本代表戦中継における今後の課題。

◯オーガナイズはチームの基準を示し、狙いを明確にする。

サッカーチームというのは、生き物だと思う。
1試合の中でもいろんな顔を見せるし、あるきっかけで良くなることも悪くなることもある。
ましてや、代表チームはその時々の招集なため、即席チームであることは周知の事実だ。

細かい試合内容に関する論点は多くの有識者たちがYouTube上やDAZN上で語っているので、僕が改めて整理する必要もないけれど、これだけは言いたい。

オーガナイズ、いわゆるプレーモデルは、チームとしての基準なのだ。
簡単に言えば、選手がプレーを選択するための軸になるようなもの。
ボールを持っている状況から思考をスタートさせる監督もいれば、相手がボールを持っているを中心にチームを考える監督もいる。
たったこれだけの違いだが、とてつもなく大きな違いになってピッチ上には現れる。

少しだけ深入りすると、相手選手に強くプレッシャーをかけたいとしよう。
①相手選手に対して、1番近い味方選手がプレスに行ったら、後ろも続こうというのを基準にする場合と。
②相手選手に対して、1番近い味方選手がスピードを変えてプレスに行ったら、後ろも続こうというのを基準にする。
①と②では明確に違いが生ずる。
②はスピードを変えるをスイッチとして次の選手の行動が決まるのだ、組織としてタイミングが共有しやすくなる。
(この声かけや設定は監督によるし、千差万別だ。)

日常生活に置き換えて考えてみてほしい。
ちょっと違うかもだけれど

◯自由にたくさんしゃべっていいよ!
◯サッカーについて2分で話して!
◯あなたがサッカーを好きな理由を2分で自由に話して!

どの基準が話し手のしゃべりのクオリティを上げるだろうか。
オーガナイズは選手を縛り、不自由にするものではない、むしろイマジネーションを働かせチームとしてクオリティを高める要因になるということだ。

そして、このオーガナイズの面で日本というチームがオマーンに完膚なきまで叩きのめされたという事実がとてつもなくやばいのだ。

◯DAZNでの放送は、日本代表戦の価値を高めるだろう。

いままで地上波での放送が主だった代表戦がついにDAZNで放送されるようになった。
(放映権料の問題とか裏側は複雑らしいが、)

これにより、DAZNでは普段からサッカー中継を担当しているアナウンサーや解説者が起用され、試合の中での見る視点が高いレベルでの議論が巻き起こった。

僕もアナウンサーになろうとした過去があるのでなんとなくわかるのだが、地上波のアナウンサーは試合の中での抑揚を意識せねばならない。
つまり最も盛り上がるポイント(ゴールや勝利)を意識し、視聴者を煽るようなしゃべりになってしまいがちなのだ。
どんなに退屈な試合でも、実況ひとつで面白くできるのがアナウンサー職の魅力ではあるのだが、退屈な試合はある意味なぜ退屈なのかを冷静に分析するしゃべりも必要だし、それを届けなくてはならないのだ。(たとえ一時的に視聴者が減ったとしても)

DAZNの解説者たちが揃って議論をし、このショッキングな敗戦を受け止めた。
この素晴らしい教材を真剣に向き合って言語化しようとした。
なにが問題で、どう変わらなければならないのか、ハッキリと言い切れはしないものも時にはあるがひしひしと伝わってくるものがあった。

ワールドカップへの想いが強い方に勝利の女神はほほえむと思っていた時代は終わったのだ。
「負けに、不思議な負けなし」
敗戦はショックだが、この敗戦をみんなで語り合い、議論し合う土壌はできつつある。
そして、サポーターの目も肥えてきている事実が確かにある。

◯日本代表戦中継における今後の課題。

今後はいかに日本代表戦しか見ないサポーターたちに試合を届けていくかだ。

目の前の試合を楽しみたいファンの方はたくさんいるし、それは素敵なことだと思う。
DAZNだけで放送してしまえば、そういった方達との接点がなくなってしまう。
ほんとにここが危惧していることだ。

日本代表戦はみんなのものでなければならないし、この時しかサッカーを見ない人を絶対に置いていってはいけない。
これまでオーガナイズの話もしたけど、そんなこと理解してなくても楽しめる環境は整えておきたい。

まだ僕の中にも明確な回答はないけれど、
テレビ局とDAZNが何か座組を作り、パッケージ化してCM枠を売るとか考え方はいくらでもある気がする。
もちろん興行であるわけだから、そこに収益がついてこなければ意味がないわけだが、スポーツビジネスとしての可能性も探りながら落とし所を見つけていきたい。

ここまで読んでくれてありがとう。
きっと日本のサッカーの未来は明るい。
そう信じたいし、信じている。
すぐに第二戦中国戦がやってくる。

がんばれ、ニッポン!
それではっ!

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