近所のあんず君2
あんず君は斜め向かえ宅のお猫様。
おそらく去年の春先に生まれたと思われる男の子。
去年の6月頃から、私と遊んでくれるようになった。
仔猫だったあんず君は、ある雨の日うちの灯油ホームタンクに登り、降りられなくなったところに、遭遇した。
そして抱っこして降ろした。
それから段々と遊ぶ頻度が増え、夏の終わりには毎日遊ぶようになった。
秋にはあんず君は自分から、私の膝に乗ってくるようになった。
そして抱っこをせがむようになり、毎日抱っこしていた。
抱っこしていると、あんず君はずーっとフミフミしてくる。
他所のお宅のお猫様なので、食べ物は一切あげてないのだが、気が合うのかとても仲良しに。
体力ない私は毎日毎日、あんず君と遊ぶのさえリハビリ、運動になった。
抱っこも筋トレにもなった。
冬になり雪が積もると寒さからか、あんず君は外に出て来なくなった。
雪解けが…春が待ち遠しかった。
ところが待てど暮らせど、あんず君は出て来ない。
毎日、外に見に行ったり、窓から見たり、いつもあんず君を探していた。
あまりに見ないものだから、ついにあんず君のお宅のお兄さんに聞いた。
なんと、
家出したそうだ…………
インターネットで調べると、猫は繁殖期が春で、お相手を探しに旅に出ると。
特に雄は遠くまで行く傾向にあるのだとか。
しかも雌を追いかけてるうちに、遠くまで行ってしまい、帰って来られなくなる猫もいるのだとか。
もうショックで仕方ない。
だが、あんず君のお兄さんが言うには、餌は時々なくなってるから、時々帰っては来てるようだ、と。
あぁ~
もうー
繁殖期早く終わらないかな。
終われば、帰って来ないかな。
世間にはペットロスなるものがあるが、きっとこんな気持ちの何倍も何倍も辛いものなのだろう。
いつかまたあんず君に会えるといいな。
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