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渋谷系洋盤ディスクガイド100

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洋楽だけで渋谷系は語れる!1987年から1995年にかけてリリースされた洋楽アルバムから「渋谷系」を象徴する100枚をご紹介。
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2018年4月の記事一覧

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #050 THE STONE ROSES / The Stone Roses (1989)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #050 THE STONE ROSES / The Stone Roses (1989)



THE STONE ROSES / The Stone Roses (Silvertone Records/ 5 May 1989/ UK)Gio-Goiのウェア、Joe Bloggsのバギーパンツ、Kickersのシューズ。イアン・ブラウンの札束Tシャツはポール・スミスだって!? 60'sを下敷きにアシッドハウス通過後の酩酊感強めたサウンド同様、そのスカリーズな装いがビンビンきた。音楽もファ

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #049 YOUNG DISCIPLES / Road To Freedom (1991)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #049 YOUNG DISCIPLES / Road To Freedom (1991)



YOUNG DISCIPLES / Road To Freedom (Talkin' Loud/ 1991/ UK)サンプリングというよりカバーと呼びたい、アシッドジャズ系作品の引用アートワーク。シングル「Get Yourself Together」でハー・ユー・パーカッション・グループ、「Apparently Nothin'」でジョー・ヘンダーソン、そして彼らが残したこの唯一のアルバムではハ

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #048 PREFAB SPROUT / From Langley Park To Memphis (1988)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #048 PREFAB SPROUT / From Langley Park To Memphis (1988)



PREFAB SPROUT / From Langley Park To Memphis (Kitchenware Records/ 14 Mar. 1988/ UK)FOOL'S MATE誌が急にスティーリー・ダン・フォロワーをプチ特集してるの読んで「ゴスッ子たちにこんなんレクるの!?」と思ったのも今は昔、彼らは渋谷系時代の“ポップスの復権”という側面の象徴的かつ模範的な存在となったのだった

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #047 INSPIRAL CARPETS / Life (1990)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #047 INSPIRAL CARPETS / Life (1990)



INSPIRAL CARPETS / Life (Mute/ 23 Apr. 1990/ UK)「ジョニー・ラモーンみたいなヤツがオルガン弾いてる!」「かわいい顔したハゲがいる!」てな微妙に弱めなヴィジュアルショックとダンス要素より60's要素が微妙に強めなサウンドでマッドチェスターにおいて微妙に独特なポジションを築いた微妙なバンド。今掘り返すべき彼らの遺産は盤よりTシャツかも。

「Life

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #046 JAMES TAYLOR QUARTET / The Money Spyder  (1987)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #046 JAMES TAYLOR QUARTET / The Money Spyder (1987)



JAMES TAYLOR QUARTET / The Money Spyder (Re-Elect The President/ 1987/ UK)グルーヴ!オルガン!ヒップの大洪水や~。いまとなってはジェイムス・テイラー超フサフサ時代の、アシッドジャズがモッドの血統にあることを証明するセカンドアルバム、サントラ仕立て。それにしても「One Way Street」、どこを切っても血が吹き出そう

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #045 808 STATE / ex:el (1991)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #045 808 STATE / ex:el (1991)



808 STATE / ex:el (ZTT/ 4 Mar. 1991/ UK)「地方のレコ屋の兄ちゃんらが最新の音楽を作るために好きなメカの名前をもじったグループを組んで世界的に大ヒット」ってだけでもグッとくるのに「テクノに合わせて扇子を振って最初に踊ったのは808ステイトのメンバー」という嘘でも本当でもどうでもいい説を聞くと明日もがんばろうと思えませんか。

「ex:el」を知るDisco

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #044 THE PASTELS / Sittin' Pretty (1989)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #044 THE PASTELS / Sittin' Pretty (1989)



THE PASTELS / Sittin' Pretty (Chapter 22/ 1989/ UK)理想の音楽を自ら演奏するという原初的な喜びに満ちた“よちよち歩き感”を全力で表現しているかのようなこのサウンドにグッとこないということは、インディーポップに縁がないということ。前年リリースの初期コンピ「Suck On」でファンマシマシのタイミングで出た“89年の新譜”ということもほんのり重要。

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #043 MOTHER EARTH / The People Tree (1993)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #043 MOTHER EARTH / The People Tree (1993)



MOTHER EARTH / The People Tree (Acid Jazz/ 1993/ UK)「あァァァんまりだァァアァ」と叫びたくなるアシッドジャズ随一のダサジャケ盤から一転、装丁からも演奏からもバンドの充実とプライドが伝わるセカンド。「パパ、このスワンプみ強めのファンキーロックのどこがジャズなの?」とお子さんに訊かれたら「ジャズじゃなくてジャジーだよ」と答えましょう。

「The

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #042 LUSCIOUS JACKSON / Natural Ingredients (1994)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #042 LUSCIOUS JACKSON / Natural Ingredients (1994)



LUSCIOUS JACKSON / Natural Ingredients (Grand Royal/ 23 Aug. 1994/ US)ジャケからしてナンジャコリャなデビューEP「In Search Of Manny」をみんながみんな輸入レコ屋で手に取ってから2年弱。相変わらずのヒップホップとパンクの私生児なサウンドのファーストアルバムを聴きながら、アニエスbのボーダーやベレー帽に象徴され

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #041 SOUL II SOUL / Club Classics Vol. One (1989)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #041 SOUL II SOUL / Club Classics Vol. One (1989)



SOUL II SOUL / Club Classics Vol. One (10 Records/ 10 Apr. 1989/ UK)グラウンドビートという発明。スザンヌ・ヴェガ「Tom's Diner」もスパンダー・バレー「True」もエリック・サティ「ジムノペディ第1番」もなんでもかんでもグラウンドビート化されて世界がグラウンドビートで埋め尽くされる!?と思ったのもつかの間、意外と短期で

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #040 THE FARM / Spartacus (1991)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #040 THE FARM / Spartacus (1991)



THE FARM / Spartacus (Produce Records/ 4 Mar. 1991/ UK)マッドチェスター風体冴えないコンテスト首位争いの常連バンド、フロム・リヴァプール。とはいえ「音楽的にちゃんとしてる」度で言えばアレとかコレとかソレよりぜんぜん上。マンチェ屈指のダサ感動ズッ友チューン「All Together Now」を筆頭にオアシスも照れそうなどっかで見たようなド熱い

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #039 THE KING OF LUXEMBOURG  / Royal Bastard (1987)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #039 THE KING OF LUXEMBOURG / Royal Bastard (1987)



THE KING OF LUXEMBOURG / Royal Bastard (él Records/ 16 Mar. 1987/ UK)日本で例えて言うと、映画音楽家としても知られる大友良英が「ザ・沼田の殿様」なる架空のバンドを結成してスパイダースやらタイガースやらボニージャックスやら小林亜星やらフリクションやらを自身のヴォーカルでソフトロック風にカバーした、的なファーストアルバム。セカンド

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渋谷系洋盤ディスクガイド100 #038 BETTY BOO / Boomania (1990)

渋谷系洋盤ディスクガイド100 #038 BETTY BOO / Boomania (1990)



BETTY BOO / Boomania (Rhythm King Records / 10 Sep. 1990/ UK)60'sの服着たカートゥーンっぽい女の子がヒップハウスをギンギンに歌い踊ったらウケんじゃね?という英国芸能界の誰かの思いつきが時代の徒花を産んだ。英国の誰か偉い。山本リンダに昔のヒット曲をハウス化したの歌わせてモアディープあたりと一緒に躍らせたらウケんじゃね?と思いついた日

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