碧風羽foomidori

(みどりふう) フリーランスイラストレーター 自作の絵と詩を掲載します。 コメント、サ…

碧風羽foomidori

(みどりふう) フリーランスイラストレーター 自作の絵と詩を掲載します。 コメント、サポート 歓迎です。 ファンタジー・SFを中心に活動しています。 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。 Japanese illustrator. Twitter: @foomidori

最近の記事

淵でダンスする(2011)

あれはよいひとでしたね 私をさがしてさがしてくれたのですって ふたたびお声をかけてくださったときには、お腹にいたんです 悲劇の集合体を喜劇と呼ぶんでしょう 肋骨の空洞もものをじっくり考えるには良いのです 毎日の整理整頓 真ん真ん中におさなごがすわる 欠伸のでるような幸福を四六ときどき笑いしのぎ としをとるにつれ目を細めるのが似合いだすのよ そういう私も好きよ (ランドセル  部屋に入れてから遊びにゆきなさい  縁側に置くなんて  おとうさんにいいつけますよ) 割烹着に

    • 白色のこと(2012)

      好きな 「時化」という漢字の グレーの回転からとある凄絶な方針を身につけ 戦争に身をやつしては 畸形の袋 覆いの体表がびりびりと悦び 落雷を見ることで悪を善と変換し均衡を保ち 歪みの溝に直線を押し込めながらあせあせと あたわないことを肋骨から追い出しておいてニヤニヤと 毒を少し採ってはひとへ吹きかけわくわくとしている、はい 私は劣るんです。 好きな 「天泣」という漢字の 真新しい遺失物取扱所で白い傘をいただくように 私のいない額縁の中にいるはずだったあなたの 圏内 声が髪に降

      • 灯を絶やすな、私たちは旅をしている(2013)

        さしても、手手はあなたを抱くために あんよはそこへ駆けていくために、だったのです。 道化師を見ては泣き いもしない鳥を共有し再び立ち 陰へ影へ避けていき なぜです 凍え渡る瀬の、霜のふこ、ふこの音を振り 対岸の人々の裁断をし、瞼には夜を通し、計画された顔面をして、善良な常の声を聞くまいとしました。 これもどなたかの並行の淵で 慣用句なくして不器用に漂う踵がひとつふたつ過ぎ 何も咲かず暗い暗い。 鳥もない。 私は熱を帯びて、一歩、足元は切り立って美しい。姿は見えない。 歩きま

      淵でダンスする(2011)