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5S最大の落とし穴 【清掃】は掃除ではない!

ここ2日ほど更新できずにいましたが、実はGoldratt Channelに登録をしまして、見るビデオが多くて、勉強することばかりでもう、noteを書く時間がなくなりました(汗)。
やはり充電しないと、発信できませんからね。
noteも一応100日連続投稿できたので、一区切りと考えました。
今後もできるだけ連続投稿は続けていきますが、連続よりも継続的に発信できるスタンスに変えていくつもりです。

さて今日は、5Sの中でも最大の落とし穴である【清掃】です。
【清掃】というと、すぐに掃除をイメージする人がほぼ大半ですが、実はそれが落とし穴なのです。
5S活動を始める時、この【清掃】を掃除だと思って、これから始める人が非常に多いのです。
でも最初にお伝えした(下のイラスト)通り、5Sには順序があるので【整理】【整頓】ができてからでないと【清掃】に入ってはダメなんです。

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それに、先ほどもお伝えした通り【清掃】は掃除ではありません。
だから【清掃】だと思って掃除に取り組んでも、5Sが成功するどころか、逆に失敗する可能性を大きくしてしまっているのです。


【清掃】の定義
【清掃】は点検。無いことが分かる仕組みを作る。

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【清掃】の定義は以下になります。

【整理】・【整頓】された職場を綺麗に維持し、点検により異常に気づくこと。
清掃は点検なり! 清掃 ≠ 掃除

一般の感覚からすれば【清掃】= 掃除でしょう。
でも5Sでは違うのです。
定義にもあるように、清掃とは点検なり!が5Sの定義であり、これが5S最大の落とし穴なのです。

確かに【整理】【整頓】された職場を綺麗に保つために、掃除は必要なことです。
でもただ単に掃除をしていればいいということではありません。
掃除をしていればいいということであれば【清掃】ではなく【掃除】になるはずです。
【掃除】でもSには変わりありませんからね。
でもあえて【清掃】と言われているのは、清掃 ≠ 掃除だからです。

【清掃】とは点検であり、無くなったことが分かる仕組みを作ることです。
上の画像をもう一度貼りますが、これを見られてどう思われるでしょうか?

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色々な工具が並んでいます。
一見すると整理されたように見えますが、いくつか抜けがあるのが分かるでしょうか?
これが常態化していたらどうなるでしょう。

他社さんで聞いた話ですが、実はこんなことがあったそうです。
ある日トルクレンチが1本無くなっていることに気がついたが、どれだけ探しても見つからなかったそうです。
しばらくした後、海外のお客さんから連絡が入りました。
「機械から異音がするので開けて調べてみたら、機械の中にトルクレンチが入っていた」と言うのです。
完全なクレーム案件で、会社は大騒ぎになったそうです。
入っていた箇所が駆動部分から外れていて、幸い大事には至らなかったのですが、信用を失ったことには変わりありません。
ただ、その後もそこまでの不良は発生しないものの、モノが無くなると言うのはタマに起こっていたそうで、どうすれば無くなるのかと相談されたことがありました。


無くなったことがわかる仕組みとは?

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無くなったことがわかる仕組みとは、上の写真のようにそこにあるものがなくなっていたら、ないことが分かるようになっていることです。
工具を吊るしておくところでも、なくなったのが分かるように型抜きをしていたり、表示・標識が貼られている工具棚を作成しているのを見られたことがあると思います。
あのような仕組みを作って、なくなったことがすぐに分かるようになっている必要があるのです。

そしてその仕組みを作るだけでなく、1日の作業の終わりや、1つの工程が終わった後に、必ず【清掃】を行いなくなっているものがないかを点検するのです。
これが掃除ではなく【清掃】です。


掃除は隠せる。隠蔽できる。

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掃除をすると、ゴミが出ます。
このゴミと一緒に捨ててしまえば、失敗を証拠隠滅できてしまう場合があるのです。

以前担当していた部署で、こんなことがありました。
ある派遣社員がいて、他のラインでもソコソコの働きをしていたこともあり、会社の意向で私の部署に来るようになりました。
最初は問題なかったのですが、徐々に休みがちになり、ある時無断欠勤をしてから来なくなりました。
そしてそのまま退社となったワケですが、荷物の整理をしていたところ、そこから不良品というか失敗品が出るわ、出るわ。
「これはヤバイ」ということになり、アレコレ調べてみると証拠品がなくなっているものも多数出てきたのです。
総額にして15万円ほどの失敗コストが出て行くことになったのです。

当時の私は、今のように5Sの知識を駆使して現場を改革できるほどの経験もなく、またマネージャーとしての役割をやり始めたばかりだったので、問題の原因がどこにあるかを探れずにいました。
今なら分かることですが、その当時は実力不足だったと言わざるを得ません。
ただ、後々にこの事件は私に良い指針を教えてくれる出来事となりました。
【清掃】は掃除ではなく、点検である。
これを今は胸を張って教えることができるのですから。


【整理】【整頓】を成功させるカギを握るのが【清掃】

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【整理】で『生休死区分』を行い、【整頓】で『3定』を行いました。
でもそれは実行しただけで、それを維持する仕組みはまだできていません。
【整理】【整頓】を維持する仕組みが【清掃】です。

【清掃】は点検なり

とは、先の二つを維持するために点検するということです。

5Sは、それぞれがバラバラに存在するわけではありません。
それぞれがつながっていて、それぞれが支え合っているのです。
そして、ここまで紹介した【整理】【整頓】【清掃】を徹底して行うことができたなら、5Sはもうほぼ完成したも同然なのです。

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