見出し画像

PDマネージャーとCAマネージャー

画像1

 先日、MAZDAの金井元会長の公演ビデオを拝聴した時に、『PDマネージャー』と『CAマネージャー』という単語が出てきました。
 コレが非常に面白かったので、少し共有させていただこうと思います。


あなたはどっちですか?

画像2

 ではまず、あなたがどちらか診断してみましょう。

達成すべき目標は何か?(それは何か?)
競争相手は誰か?
納期はいつか?
どのようなプロセスで仕事を(する)したのか?
何を調査(する)したのか?
誰(どこ)と相談・合意(する)したのか?
資源・資材をどれだけ投入(する)したのか?

 上に挙げた7つの項目は、仕事やプロジェクトを始める前に、必ず確認しておくべきことです。
 コレを部下に対していつ、どのタイミングで行なっているか?
 ココがポイントになります。

 もしこの7項目の確認を、ある程度納期が迫ってきているPDCAの『チェック』の段階でしている(7項目の質問をチェックの段階で、部下にしている)としたら、あなたは『CAマネージャー』です。

 一方で、この7項目の確認を、仕事を始めるPDCAの『プラン』の段階で共有して(それに合わせた綿密な計画を立てて)いるのなら、あなたは『PDマネージャー』になります。


目立つ『CAマネージャー』・目立たない『PDマネージャー』

画像3

 『CAマネージャー』は目立ちます。常に忙しく動き回っているので、仕事をしているように見えます。
 あちらで問題が起きれば陣頭指揮を取り、こちらで問題が発生すればすぐに対策を立てて対処します。
 そのため『CAマネージャー』はいつも忙しそうにしていますし、常に現場で起こる問題を解決をしているように見えます。

 一方で『PDマネージャー』は目立ちません。事前に打ち合わせを行い、綿密な計画を立てているので、納期が近くなった段階で、数点チェックをするだけで済みます。
 万が一、問題が発生したとしても、問題が起こった時にはどうするかを事前に相談しているので、報・連・相が上がってくるのも早く、対処も容易です。
 そのため『PDマネージャー』はいつもヒマそう(というと語弊があるかもですが)に見えるのです。日常業務を淡々とこなし、帰れる時は定時でさっさと会社を後にします。
 問題が発生した時でも、慌てず騒がず黙々と対応しますので、本当に目立ちません。

 では、どちらが良いのでしょうか?
 ご自分がどちらのタイプかを確認してみると共に、少しの間、どちらが良いのかを考えてみてください。


火消しの『CAマネージャー』・防火の『PDマネージャー』

画像4

 結論から先に申し上げると、仕事ができるのは『PDマネージャー』です。

 『CAマネージャー』は目立ちますが、常に現場(職場)は火事が起こっているのです。あちこちで火事が起こり続けており、マネージャーはその火消しに右往左往しています。

 一方の『PDマネージャー』はというと、火事にならないように火が出ないよう、防火対策を事前に実行しています。
 また、万が一予想外の事態が発生して火が出た時も、火が大きくならないようにファイヤーウォール(防火壁)を設けています。

 現場は常に、様々な外的要因にさらされます。
 現場がどれほど優れていようと、それ以外の部署から持ち込まれる様々な問題が、事態を大きく変えてしまいます。
 だからこそ、事前に計画を立てて、プロセスを部下と共有し、準備して仕事やプロジェクトに臨む『PDマネージャー』は、外的要因に左右されにくい現場を作ることができるので、目立たないけれど仕事ができるのです。

 一方の『CAマネージャー』は、その外的要因に振り回され続けています。
 この『CAマネージャー』タイプの人は、火消しをすることに優越感や満足感を感じてしまう人が多いです。
 「俺がいないとこの現場はダメだ」とか「やっぱりこういう問題を解決できるのは俺だけだ」といった感じでしょうか。
 でもよく見てみれば、現場(職場)はあちこちで火事が発生しまくっています。『CAマネージャー』はずっと火を消し続けて満足しているので、その部署の体質は改善されることがありません。
 あえて言うなら『CAマネージャー』は、マネージャーとしては3流以下だと言えるでしょう。


騙されてはいけないし、自ら直してもらわないといけない。

画像5

 『PDマネージャー』と『CAマネージャー』。
 MAZDAの金井元会長はこう言われています。

「『CAマネージャー』は、チェックの段階で部下に指摘をすることで、自己満足を得ている。この姿勢は自ら直してもらわないといけない」

 金井元会長は「最初の段階で手を抜いているのに、その責任を部下に押し付けている」とまで言われていました。

 ただ先にもお伝えしたように『CAマネージャー』は目立ちますし、仕事をしているように見えます。
 だから金井元会長は、

「経営者の方はこの姿に騙されてはいけません!」

 と言われていましたので、ご注意ください。


 しかし、自分の周りを見てみると『PDマネージャー』がいないのは、悲しいですね。

 え? 私ですか?

 お陰様で先輩や先達に恵まれましたので『PDマネージャー』でした。^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?