『A子の日記』#42

黎明にシルエットが浮かぶ。寝ぼけ眼を擦ると輪郭が滲んで、空に溶けて消えた。みんなが迎えに来ている。でも待って。もう少しだけ、やりたいことがあるの。旅館の窓に雪がちらつく。体を起こして近づくと冷気が骨身に染みた。今日は白。そうノートに書きとめつつ、明日の空に懐かしい青色を期待した。