『A子の日記』#22

ニラを手に取る。「今日、もつ鍋にしよっか」彼はカートを押しながら苦々しい顔をした。「じゃあキムチ鍋」「ニラ食べたすぎ」「いいじゃん。ニラがないと鍋じゃないよ」そう言いながらカゴにニラを突っ込む。彼は「仕方ないな」とはにかんだ。優しく心広い彼と買い物袋の両側を分けて持つ夜が愛しい。