『A子の日記』#10

公開告白を受け、なんとなく空を見上げた。修学旅行で訪れた京都は四方を紅葉に彩られ、ロマンスの舞台にはもってこいだった。この時期にしては珍しく温かい風が吹き、穏やかな心に波風を立たせる。班の子たちが遠巻きに成り行きを見つめ、目の前の彼は汗びっしょりで答えを待つ。「いいよ。付き合お」