『A子の日記』#34

目印の黄色い靴下がピッチを駆ける。「いけー!そこ!そこ!シュート!」蹴り上げたボールがクロスバーに弾かれ、外へと逃げた。無情に鳴り響くホイッスル。少年たちは崩れ落ち、客席からはため息が漏れる。よくがんばった!がんばったよ。言葉の代わりに拍手を送る。赤く腫れ上がるほどに手を打って。