『A子の日記』#20

遠くに散らばっていた友人たちが一同に会し、記念写真を撮る。艶やかな振袖に身を包む女子たち。その中に私はいない。マスクとメガネで顔を隠し、歩道橋から見下ろす。一生に一度のイベントだが、大した感慨もない。体格のいいスーツの男がいたけれど、知らない人だった。私はなぜここにいるのだろう。