『A子の日記』#38

ようやく下の子も嫁を娶った。これで私の役目も終わり。あとはただ平凡な毎日が続くだけ。そんなふうに考えていた時だった。「お父さん!お父さん!しっかりして!救急車!」上の子の叫び声が響く。何を言っているのだろう。あの人は寝てるだけだ。呆然と立ち尽くす私の手を孫娘が握る。強い力だった。