『A子の日記』#4

絵本を選んでいると、いつもカウンターから動かない彼が隣に来た。「何探してんだ」ぶっきらぼうな口調で、目線は絵本へ向いたまま。「妹がね、好きなの、絵本。いいのある?」「ん」彼は1冊棚から抜き出した。群青の表紙に女の子がふたり。「魔女と姉妹の話。絵も綺麗」男子って単純。「ありがとう」