『A子の日記』#45

「…を見つけられたかい?」夫が私に問いかける。まだ見つけれてないわ。そう言うと、夫はくしゃっと崩れた笑顔を見せ「それはいかんな」と呟いた。目が覚めると私は病院のベッドに寝ていた。不思議と気分はいい。「私、もう時間がないのね」最後の力を振り絞る。群青色の思い出の空を見つけるために。