常磐線について

常磐線で水戸から東京へ向かうとします。常磐線は直行列車が品川発もあるが列車によっては従前の上野駅発着もあるので今回は水戸〜上野間(117.5km)での話。

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水戸を午前9時以降に発つ各駅停車(注1)は毎時00分発が所要時間122分、同30分発が111分に対して特急の水戸から無停で上野に向かう「ひたち」は68分、途中駅の友部や石岡、土浦に停まる「ときわ」は73分で特急料金が1,580円で、所要時間と追加の特急料金でリーズナブルに見えます。

ですが、これが水戸を午前9時以前に発つ列車で見ると、所要時間で特急と各停の差がかなり縮みます。また極端に遅い各停も存在します。だから特急料金を払うべきか、特急と各停のどれを選べば良いかで、知っておいて得なことがあるのです。

なぜ、こんな差異が生じるのか。いちばん大きな原因は取手から上野に向かう区間で朝の通勤通学のラッシュアワーに土浦発の各停(常磐線快速)も加えて同じ線路を各停と特急が抜かすことも能わずノロノロと走ることになることです。

その朝の時間だと最も遅い、所要時間99分の特急(ときわ60号)に対して、最速の各停(水戸発8時13分)は107分で8分の差しかないのです。そこに1,580円の特急料金を払うかどうか。各停で牛久あたりからかなり混雑する車内を厭うなら2階建てグリーン車という選択もあり料金は1,000円(週末は800円)です。この最速の各停列車は特急が30分に1本走る常磐線で上下線で1日のうち唯一、1度も途中で特急に追い越されることのない各停で特別な存在ですが、水戸を8時13分発で上野に10時着という発着時間もいずれも早くも遅くもありません。朝の過密ダイヤから昼間のダイヤへの移行帯で、このような列車が存在するのです。

それに乗らないと、次の水戸発は55分後の9時8分発ですが、これが所要時間は133分で1日で最も遅い各停なのです。なんぜこんなことが起きてしまうのか。所要時間は別にしても、この朝の時間で55分も各停がないことが腑に落ちません。

それは、常磐線に限ったことではないですが、朝のラッシュアワーの過密ダイヤから昼間のダイヤに移行するときは避けがたいことなのです。とても簡単にいえば、上りの本数が増えれば下りで戻さないといけないのですが、下りは上りほどのラッシュになりませんから本数を多少減らしながら、上りをどこかで間引きしないと昼間の等間隔のダイヤに移行できません。ちなみに夕方以降は学校の下校時間から退勤時間の幅が大きいので、こうしたダイヤ調整も大きくなく、特急も各停も列車によっての所要時間の差もあまりありません。

東京に向かう鉄道線でも、新幹線が走り在来線は各停ばかりの東北・上越・信越方面や、通勤時間帯の特急(湘南号)を所要時間よりも座席確保に絞った東海道線、かなり専用線を走る総武線快速横須賀線直通、中央本線は上りの各停は高尾までで中央線快速か総武線に乗り換えなどではあまり気にしなくて良いことですが、この常磐線については、朝の貴重な時間の移動ですから、この所要時間の長短と安くない特急乗車の損得を知っておいても良いでしょう。

(注1)ここでいう「各駅停車」は取手〜北千住は千代田線直通の常磐線(各停)に対する常磐線「快速」のこと。



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