事業の価値は数字では表せない
新潟に来ています。見た目は32歳の年齢不詳(25歳)の私ですが、10歳の少女には｢お兄ちゃん｣と呼んでもらえました。
おはようございます。かとうひろあきです。
全国の飲食店による子ども食堂のプロジェクト『夢食堂』の運営をしています。
今日は、「価値や可能性を数値では表せない」というテーマで、記事を書きます。
目標数値に囚われてはいけない
尊敬する福島正伸先生が手がける『ドリームプランプレゼンテーション』の資料に、【事業の価値や可能性を数字で表すことはできない】とあります。
事業の価値や可能性は、｢感動と共感｣によって表現されるものである、と。
夢食堂では、「2031年に2万店舗、支援者数100万人」という目標を掲げていますが、参加店舗や、支援者の｢数｣は、事業の価値や可能性を指し示す指標ではない、という事です。
夢チケットの数もそう。
＊たくさんの夢チケットを寄付して頂いた
＊夢チケットでたくさんのご飯を届けた
というのは、夢食堂の｢成果｣であって｢価値や可能性｣とは違うという事なのだと思います。
#もっと勉強します
夢食堂が目指しているのは、【愛情裕福】に子どもが育てる「場所」を増やすことです。
お店やチケットの数だけでは分からない、たとえば「愛情」であったり「つながり」といったものを生み出していきたいと考えています。
数字に囚われてこの本質を見失わないよう、日々自分達の｢志｣を確かめながら、生きていきます。
なにと向き合い、なにを目指すのか？
「数字に囚われないように」と述べましたが、夢食堂が一貫して目指しているものは、ちゃんとあります。
「カイゼン」です。
日本語の「改善」という言葉は、英語圏では「持続可能な向上（sustainable improvement）」みたいな意味で、そのまま [kaizen] と言われたりします。
「持続的に改善すること」
英語で [kaizen] と言うときは、「持続的に」という意味が内包されます。
つまり、「昨日の自分（達）よりも、よい自分（達）であったか？」という命題に、来る日も来る日も向き合い続けたか。
夢食堂に当てはめるのならば、
「昨日の夢食堂より、信頼できるプロジェクトであったか、信用できるあり方であったか、組織として成長していたか……」
といった部分が、自分たちが見つめ続けるべき課題。
「目標の〇〇店舗まであと■■店舗」というのも大切ですが、コレだけで一喜一憂しないように、地に足つけて活動していきます。
競合に勝つのか？昨日の自分に勝つのか？
アメリカのビジネスコンサルタントで、サイモン・シネックという人がいます。『How Great Leaders Inspire People（優れたリーダーはどうやって行動を促すか）』というテーマで語られたTEDのスピーチは、視聴回数4000万回を越えており、世界的に活躍する人物です。
彼が自身の著書『The Infinite Game（無限ゲーム）』で紹介している事例が、とても興味深いので紹介しますね。
ある日、サイモンはマイクロソフトの経営者会議に参加したそうです。そこでは、「どうやってアップルに勝つか」という議論にほとんどの時間が費やされていたそう。
その頃は、アップルが音楽プレーヤー『iPod』をバンバン売っていた時期だったそうで、マイクロソフトはそれに対抗する製品の開発に取り組んでいました。
その結果、マイクロソフトは『the Zune』という音楽プレーヤーを打ち出します。
サイモンに言わせると、これはiPodよりも「素晴らしかった。デザインに優れ、使い勝手はシンプル、直感的に操作できてユーザーフレンドリー」だったそうです。
一方、サイモンが後日アップルの経営者会議に参加すると、そこで議論されていたのは「どうすれば昨日の自分たちも良い製品、良いサービスにできるか」の一点集中だったと言います。
その後どうなったか。
まもなく、アップルはiPhoneを発表しました。
音楽プレーヤーの市場を超え、世界中に破壊的なイノベーションがもたらされた瞬間でした。
マイクロソフトが「アップルに勝つため」に導いたthe Zuneという｢素晴らしい製品｣の名前を、聞いたことすら無いのは、僕だけじゃないと思います。
夢食堂においても、一つの教訓になるような事例かもしれません。
「競合」は存在しないプロジェクトですが、目指すべきところは「カイゼン」であると、強く印象付けられます。
今日も、昨日より成長して一日を終えます。
ありがとうございました〜！
【追伸】
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