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NPOの人件費問題

オススメされて読んでいる渋沢栄一さんの『論語と算盤』にカミナリ走りまくっております。

おはようございます。かとうひろあきです。

全国の飲食店による子ども食堂のプロジェクト『夢食堂』の運営をしています。

今日は、「非営利活動のお給料」というテーマで、記事を書かせていただきます。

ディープな内容なので、この記事にシェアはしないでください。


NPOは儲からない!?


平成27年に行われた、労働政策研究・研修機構の調査(↓↓)によると、NPO法人で働いている人の平均年収は、約260万円であると報告されています。

https://www.jil.go.jp/institute/research/2015/139.html

一般企業と比べると、明らかに収入に差があることが伺えるのですが、この背景の一つには、「社会貢献活動で儲けるのは悪だ」という、人々の道徳観が影響していると言われています。

実際、ボクの友人でNPO法人の代表を勤めている人は、しっかりとビジネスの仕組みを作って、収入と社会貢献の両方を高いレベルで成立させていますが、彼は叩かれたりしています。

「NPOで金稼ぎなんてするな!」

という勢力は、やっぱり強いみたいです。

正直にいうと、ボク自身にもこういったお金のメンタルブロックはあるなぁと感じています。

特に現在は、支援者の方々から頂いた寄付金によって夢食堂が成り立っている状態なので、お金の使い方についてはめちゃくちゃ慎重になります。

誰かからご寄付をいただいた場合には、その金額と支援者のお名前が僕とノブさんのところに通知されるようになっているのですが、「ありがたみ」と「責任」の両方がMAXで押し寄せてきます。


社会に良いことをした対価として稼ぐのは悪なのか?


「社会貢献で稼ぐのは悪」と主張する人たちを見ていると、「困っている人たちを自分の肥やしにするな」という話をしている場合が多いです。

実際、こういう批判が相次いでネットが炎上してしまい、ファミリーマートさんの子ども食堂は頓挫してしまいました。

ただ、ここには不思議なロジックが含まれているなと思います。

例えば、必要ない商品を人々に売りつけて儲けまくっている人たちって世の中にゴロゴロいると思うんですが、彼らのことを批判する人ってあまり多くないし、ネットが炎上することもないんですよね。

巧妙な営業術によって、実際のニーズとは離れたモノを売りながらお金を稼ぐのはOKで、社会貢献によって困っている人を助けながらお金を得るのはアウト。。。

不思議な「ねじれ」があるなぁと感じます。

SDGsが世界中から重要視され、これからは社会貢献の時代と言われるようなった現在の世の中においては

「NPO=稼いじゃいけない」

のイメージを強くすればするほど、自分の首を絞める結果になることは、押さえておいた方が良さそうです。

それを批判すればするほど、後から意見を変えてその世界に入るのが難しくなってしまうからです。

でも、時代は確実に社会貢献へと傾いています。若者はみんな、社会のために役立つ活動にしか興味がないです。

必然的に、「人材とお金」の原理が働くので、社会貢献でお金を稼ぐのはスタンダードになっていくんじゃないかと。


支援者の「思い」を最大限に汲み取る


社会貢献で稼ぐことについては肯定的な姿勢を示しましたが、注意も必要だと思っています。

僕たちが扱うお金には、支援者からの寄付金や企業からの協賛金が含まれています。そのお金には「思い」が乗っかっているわけですから、それを踏み躙るような使い方は、絶対にしてはいけないです。

僕たちには、支援者からの思いを形にする責務があると思っています。頂いたお金は最大限、意に沿うような形でしようするための努力をしていきます。

あとは、誠実に、正々堂々と、クリアな運営をしていくことでしょうか。これが持続的な運営を実現させる上では、最も重要かなと思います。


社会貢献の未来を見据えて


現時点では、社会貢献活動で儲けるのは難しいでしょう。

僕たちも個々の収入を上げようとするなら、お金を生み出せる事業を自分たちの手で作る必要があります。(あると思っています)

課題はもちろんありますし、時間はかかると思いますが、ゆくゆくは僕たちの活動からもある程度の収入が得られるような状態を作っていきたいモノです。

先日どこかで読んだ本の中には、

「もし、NPO職員の平均給料が倍になったら、優秀な人材が一気に集まり、社会貢献組織が増加し、人々の関心や政治の矛先がどんどん向いていく」

と書かれていました。

確かに、、と思いました。

そのためにも、自分たちが批判を浴びようと率先して「非営利団体の人件費問題」を解決するための努力をしていこうと思います。

伝わりにくかったかもしれませんね。

いつもありがとうございます。

では、また!


【追伸】


■夢食堂寄付

夢食堂プロジェクトの運営費として使用させて頂きます。

たまにお金の使い道についても発信しています。



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